Infinity recollection

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猫にはなれないご職業 (ガガガ文庫) [感想]

猫にはなれないご職業 (ガガガ文庫)

 

第 6 回小学館ライトノベル大賞 優秀賞受賞作

 

代々陰陽師として活躍した藤里家の猫又であるタマは、藤里家の末裔である桜子には自分が猫又ということを隠し、普通の猫として接する。加えて、桜子は自分が陰陽師の末裔であることさえ知らないのだが、それは祖母である春子の願いであり、タマは忠実に願いを叶えようとしている。

 

猫又が陰陽師とは珍しい。

 

視点もタマの一人称で描かれることが多いので、小さい身体で大人な思考と口調をする猫に可愛らしさを覚えます。猫以上に猫らしい、猫であろうとしているタマが良い。そこには人間が考える猫の像が垣間見えるから、人間臭さも同時に存在している。

 

物語は春子が亡くなったことで復活した八尾と、桜子を守るタマ。春子の存在を引きずってしまっている桜子と親友の命。繋がり、絆、呪い、関係性を表す事柄を散りばめられたお話は、読んでいると温かい気持ちになる。特に呪いに関しては、捉え方が複数ある気がして、読んでいて面白い。

 

適度なコメディ調になっているところも、読みやすくてよかった。

 

 Presented by Minai.

猫にはなれないご職業 (ガガガ文庫)

猫にはなれないご職業 (ガガガ文庫)