猫にはなれないご職業 (ガガガ文庫) [感想]
第 6 回小学館ライトノベル大賞 優秀賞受賞作
代々陰陽師として活躍した藤里家の猫又であるタマは、藤里家の末裔である桜子には自分が猫又ということを隠し、普通の猫として接する。加えて、桜子は自分が陰陽師の末裔であることさえ知らないのだが、それは祖母である春子の願いであり、タマは忠実に願いを叶えようとしている。
猫又が陰陽師とは珍しい。
視点もタマの一人称で描かれることが多いので、小さい身体で大人な思考と口調をする猫に可愛らしさを覚えます。猫以上に猫らしい、猫であろうとしているタマが良い。そこには人間が考える猫の像が垣間見えるから、人間臭さも同時に存在している。
物語は春子が亡くなったことで復活した八尾と、桜子を守るタマ。春子の存在を引きずってしまっている桜子と親友の命。繋がり、絆、呪い、関係性を表す事柄を散りばめられたお話は、読んでいると温かい気持ちになる。特に呪いに関しては、捉え方が複数ある気がして、読んでいて面白い。
適度なコメディ調になっているところも、読みやすくてよかった。
Presented by Minai.

- 作者: 竹林七草,藤ちょこ
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2012/05/18
- メディア: 文庫
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