しずまれ! 俺の左腕 (このライトノベルがすごい! 文庫) [感想]
主人公は学校を歩けば男女共に声をかけてくれる、いわゆるリア充な男の子。真面目で明るくて適度にモテる彼が、異世界の魔王に憑依されたことでおかしなことに。
キャラクターが好きです。
左腕に憑依した魔王からクラスメイトを守るために、友達から距離を取る主人公だが、慕われているから皆が心配してくれる。心温まる場面だけれど、ことあるごとに魔王がちょっかいを出すので感動の場面がコメディに。加えて、主人公は本当に良い奴ですから、魔王が何かしようとする度に力を抑えようとします。左腕よ静まれってな具合に叫んだりします、これが傍から見たらただのイタイ人というのが悲しい。
触手を駆使して気に入らない奴を切り捨てていくのは、やりすぎ感もあるけれど、ヅラの件をはじめ随所で挿入される笑いは面白かった。
真面目にシリアスに話を作りこんだら、触手でマッサージされていた奴らは死んでいるのだろうし、死んだとしたら主人公の魔王に対する感情も違ったでしょう。そういったシリアス展開を想像させながら、コメディに落としているから面白い。真面目な展開がもしこうだったら、というのを笑いにしているので分かりやすい。
徐々に減っていく友達に、日に日に増えていく不名誉な称号。主人公の社会的地位は爆散です。
けれど、親友の二人は離れようとしないので友情がありがたいですし、幼馴染の可愛らしさが素晴らしい。ナイスツンデレ。――というか、幼馴染の戦闘力が高すぎて、もはやお前しか魔王倒せないというレベル。部活動が謎過ぎるし、体育系すぎるわ。
そんなお約束なコメディもやりつつ展開される物語には、熱いバトルなどもあったりして、意外とバランスは良かった印象。イラストも作風をよく表現できていると思います。口絵を見えれば作品の雰囲気が伝わるはず。
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- 作者: おかもと(仮),NOCO
- 出版社/メーカー: 宝島社
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