やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。5 (ガガガ文庫) [感想]
短編集。
八幡の夏休みを描いているのだけれど、そもそもボッチだから外に出ることがない……悲しい。それでも遊びに誘われたり何だかんだで外出している八幡は、自分で思っているほどに友達少ないわけじゃない、きっとリア充。でも冷静に考えると、妹の小町ばかりが目立っているのは、それだけ家から出ていないってことなんじゃ……。
雪乃の出番は少ないのに、雪乃の存在を感じられる一冊。
終始、コメディしていたのは良かったです。雪乃のことがあったのでシリアスになるのかと思えばそうでもなく、いつもの残念具合。けれども、いつもを見せておいて最後にまとめてくる辺りは流石でした。物語の繋がりを感じさせてくれるので、読みがいもある。
独特である八幡の独白も健在で、ネタが分かれば面白いを貫き通しています。場面としては何の変哲もなくとも、八幡の独白のおかげで笑ってしまう。ヒッキーの斜め後方をいくネガティブ思考は、作品の大きな魅力でしょう。
また、アホの子であるところの由比ヶ浜が八幡と急接近していて可愛らしいですし、急接近といえばまさかの平塚先生とのフラグを立てる八幡が格好良い。長文メールに引いている八幡というのが、いつもと立場が違うのが面白かった。そして、戸塚は相変わらずの美少女。
随所に渡って持ち味をしっかり出せていました。唯一、残念な部分を挙げるなら本が薄いということでしょうか。短編集ですから、軽く読めていいとも思いますが、もっと読んでいたいという思いもありますので。
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- 作者: 渡航,ぽんかん8
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2012/07/18
- メディア: 文庫
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