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烙印の紋章XII あかつきの空を竜は翔ける(下) (電撃文庫) [感想]

烙印の紋章XII あかつきの空を竜は翔ける(下) (電撃文庫)

 

シリーズ完結編。

 

ここで終わるのかという終わり方。これから更に面白くなる展開にしか見えないので、是非とも続きが読みたいところなのだけれど、大人の事情で続けるのは難しいということなのか。

 

アリオンとの決戦と三国同盟がどうなったのかの顛末が描かれているわけだけれど、あくまで一つの戦いに決着がついただけ。オルバが皇帝となったところまで描くと思っていたら、そこはエピローグでも綺麗にかわされた。設定やら世界観も一気に伏線回収などをしたので急ぎ足には映ります。ビリーナに正体がばれた所とか……。

 

何だろう。物語が完結したという満足感や充足感があるのと同時に、エピローグの内容が濃すぎるわりに割かれるページ数が少ないから、あれも読みたいこれも読みたいと永遠に満たされない飢餓感みたいなものも内包しているのですよね。

 

さて、作中、特に美しく素晴らしかったのはギルとカセリアの一騎打ちだろうか。お互いが剣を振るい雄たけびをあげ、剣戟の音が映像を伴って再生されるほどにのめり込んで読まされた。この興奮は久しぶりだったので、手に汗握るを地でいく本作はやはり面白いのだなと最終巻でも再確認。

 

ここまで読みたいと思わせる作品もそうそう無いので、著者の次回作は烙印の皇帝とか竜皇の紋章とかで、オルバが皇帝になった後を描いてくれないかな。難しいかな。まあ、この人の作品なら間違いは無いでしょうから次回作もきっと読むことでしょう。

 

面白かったです。次も期待しております。

 

 Presented by Minai.