ドリーミー・ドリーマー (MF文庫J) [感想]
第8回MF文庫Jライトノベル新人賞 佳作受賞作
予想外にシリアス。
ゲームの世界に入った主人公が、永遠と終わらないループ世界でラブコメをするという世界観だと思っていたので、レーベル柄もあり明るい話かと思っていたのだけれど、真面目。もちろんラブコメはしているし、登場する女の子は可愛らしいですけどね。
ループする世界でラブコメし続けるのではなく、主人公はループから抜け出したいと考えている。そこに今まで見たことが無い女の子が現れたので、彼女がゲーム攻略の鍵だと考え、どうにか恋愛しようと頑張るのだが――という話。
今までどこか親友キャラ、ヒロインキャラなど、ゲームのキャラクターとしてしか感情移入せず付き合っていかなかった主人公。一見して当たり前なのだけれど、新たな女の子の登場からゲームのキャラクターとしてではなく、一人の友達として行動するようになる主人公が印象的。
ただ、物語の構成は少しばかりバランスが悪く、やりたいことは伝わってくるのだけれど、上手い文章になっていないのが残念。場面を切り取ると素晴らしい演出は出来ているのだけれど、繋げると違和感が出る。受賞した理由が分かるし、優秀賞ではない理由も分かる。楽しませてもらいました。
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- 作者: 弥生志郎,基井あゆむ
- 出版社/メーカー: メディアファクトリー
- 発売日: 2012/10/24
- メディア: 文庫
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