Infinity recollection

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フルメタル・パニック! アナザー5 (角川ファンタジア文庫) [感想]

フルメタル・パニック!  アナザー5 (角川ファンタジア文庫)

 

暗い、暗いよ達哉くん。兵士と学生の狭間で揉みくちゃにされている達也くんが悩んでいる。これまでPMCとして仕事をしてきたけれど、ここからは人命を賭けることになる――かもしれない。それは自分の命、仲間の命、そして敵となる者の命。

 

ASで戦うということは、相手を殺すことになるかもしれないということ。それを否応なしに自覚してしまったので、兵器を駆使して実感もないまま人を殺すという行為に恐怖を覚え、闘争心に駆り立てられるままゲーム感覚のままに人を殺そうとした自分がいたことに嫌悪する。

 

大人になりきれず、兵士ではない達也の心情が苦しいです。まさに人生の第一の分水嶺とでもいうのか。これから無数の選択をしていくことになるのだろうけれど、ここでの選択は後に引けない選択だ。

 

物語はそんな達也に引っ張られるように、どんより雰囲気。ASでの戦闘などアクションで魅せてはいるものの、全体としては晴れない。今後への伏線を残していきました。

 

唯一、目立っていたのは菊乃だろうか。言動が大胆で変態で、達也に迫っていく姿がエロイの一言。何というのか、彼女の発想が階段を一つ飛び越えていくので、驚かされるし、その会話劇はテンポ良く描かれるからコミカルで面白い。場面として光っていて好きです。

 

面白かった。続きも期待しております。

 

――それはそうと、いつ「富士見ファンタジア文庫」から「角川ファンタジア文庫」になったのですか……。表記はいつから変更されたのだろうか、気付いてなかっただけなのかしら。……これ、登録どうしよう。

 

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