Infinity recollection

ライトノベルを中心に感想を載せているサイト。リンク+アンリンクフリー。

超粒子実験都市のフラウ Code‐1#百万の結晶少女 (角川スニーカー文庫) [感想]

超粒子実験都市のフラウ    Code‐1#百万の結晶少女 (角川スニーカー文庫)

 

透明で透きとおった美しい青春。

 

こういうタイプの物語は好きですね。軽快なアクションとスピード感のある展開、そして物語を通して描かれるボーイ・ミーツ・ガールの青春。単純だけれど、分かりやすくて面白い。

 

特に著者の描写してくれる世界観の説明と状況説明、登場人物の心理は美しいくらいに読みやすいので、映像に変換するのが楽です。アニメーションを見ているように捉えることが出来るので、違和感がないのですよね。読むと分かるのだけれど、気持ち良いくらい。

 

それも主人公の隼人やフラウたちが、温かい人間味あるキャラクターに仕上がっているからだと思う。彼ら彼女らは異能力を持っているし、世界観も近未来で素敵技術が確立されていたりするけれど、言動からはティーンズらしさが感じられる。青臭さというのか、がむしゃらになれる強さがある。

 

だから、特別な物語の世界でも、身近に感じることが出来る。羨ましいくらいに青春していて、輝いている日々を過ごしている。

 

過去作品では独創性やゲーム性を入れ込んだ楽しさを提供していたけれど、素直な作品になると地の文の美しさが光りますね。王道で面白味には欠けるかもしれないけれど、自分は好きですし上手くまとめられていて凄く完成度の高い作品だなと思います。

 

未知の素粒子"グロア"、謎に包まれた研究機関、個性的な登場人物たち。まだ一巻なのに、物語を破綻させないで、バトルにもラブコメにも幅広く対応できる魅力的な世界を構築しているのは流石だ。

 

あー、隼人やフラウたちと友達になりたいですよ。恥ずかしい台詞を聞いて冷や汗流したり、女の子たちに振り回されたり、隼人の熱さにこっちまで本気になったり、チーズ蒸しパン……もふもふしたいよ。

 

前回に引き続いて、これは楽しみにシリーズになりそうです。

 

 Presented by Minai.