魔法科高校の劣等生(9) 来訪者編<上> (電撃文庫) [感想]
USNA(北アメリカ大陸合衆国)戦略級魔法師登場。
上中下の三巻構成ということもあり、終始ゆっくりしています。本作を読んでいるなら慣れてもくるけれど、いや本当に何も起こらない。相変わらずの説明につぐ説明、なるほどなと設定に関心している内に終わります。
……何も起こらないというのには語弊があるのかな。一応、吸血鬼を模したような連続殺人が起こり、そこにUSNAの特殊魔法師部隊『スターズ』が関わってくる。あらすじそのままの内容を、伏線を張りながら丁寧に説明する流れ。本当にこれだけだ。
達也くんと深雪は今日もラブラブだなと安心しつつ、リーナの登場で深雪が嫉妬する姿を読んで楽しみ、常に冷静沈着な達也くんに関心する。
バイクのタンデムシートには女しか乗せない達也くん格好良くて潔いよ、おかげで幹比古が寂しげじゃないですか。生徒会の面々との駆け引きも見事な達也くん、アンジー・シリウス少佐と戦っても負けない達也くん。いや死角がないですね。
正直、最強だからこそ、登場するキャラクターが残念でしかたない。今回だとリーナとかスターズの方々とかがまさにそうでしょう。日本の高校生はエリートで強いってのがよく分かる話ではありますが、魔法師部隊『スターズ』とか大々的に出てくる割にそこまで強くないので、変に肩透かし食らうのですよね……、重みがないというのか。もう慣れましたけど。
リーナの強さは万全ではなかったにしても、連戦していたとしても、一応米軍最強なのですよね……。程度が知れちゃうけれど今後大丈夫なのかしら。中下と物語が進むと称号に見合った強さを発揮してくれるのかな……。深雪と相対する能力で魅せてくれたのは面白かったのだけれど、拮抗していたというのはどうなのだろう。
吸血鬼云々は何故だか逃がしまくる達也とリーナなので、中巻でもリーナと力を合わせてとか米軍がとか振りつつ何だかんだと真犯人は逃がしまくるのだろうな……。ここまで最強がいて足を引っ張り合っている構図も珍しいです。
何気に一番楽しめたのは、口絵の十三使徒の説明ですかね。皆さん能力名が格好良すぎるでしょうよ。
Presented by Minai.
- 作者: 佐島勤
- 出版社/メーカー: アスキー・メディアワークス
- 発売日: 2013/03/09
- メディア: 文庫
- この商品を含むブログを見る