Infinity recollection

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シュガーアップル・フェアリーテイル 銀砂糖師と赤の王国 (角川ビーンズ文庫) [感想]

シュガーアップル・フェアリーテイル  銀砂糖師と赤の王国 (角川ビーンズ文庫)

 

新聖祭が間近に迫り、銀砂糖の準備を急ピッチで進めるペイジ工房だったが、その中の一人オーランドがラファルに襲われ負傷してしまう。キャットが助っ人にやってくるがそれでも人数は変わらない。職人が一人減ったことで窮地に立たされるペイジ工房。

 

――そしてラファルはアンまでをも攫って行ってしまう。

 

今までの登場人物総出演の総力戦という雰囲気が良かった。攫われたアンのためにペイジ工房の職人たちが取った行動は、ただひたすら砂糖菓子を作ること。今自分たちに出来ることを精一杯出している姿が格好良い。

 

負傷したオーランドは直ぐに砂糖菓子を作り始めるし、文句を言いながらも手伝ってくれるキャットに、不平不満を言いながらジョナスまでもが力を貸してくれる。ましてやそれに感化されてキースが工房の垣根を越えて砂糖菓子作りに参加する。

 

出会ってきた人との繋がりが力になっていた。

 

また、攫われてしまったアンの方はというと。こっちはしっかりいつものアンで。ラファルの部下ともいえる妖精に砂糖菓子を作ってあげたりする。お人よしです。それに、物語の根幹に関わるようなシャルとラファルの素性も明らかになってきて、読みどころが多い。

 

しかもこれだけでは終わらない。将来を見据えるアンに、手を差し伸べるキースの姿。いや、もう純粋にキース格好いいよ。引きの部分でも魅せてくれました。

 

続きも楽しみ。面白かった。

 

 Presented by Minai.