いもうとコンプレックス! ‐IC‐ (富士見ファンタジア文庫) [感想]
第23回ファンタジア大賞 銀賞受賞作
主人公は妹が大好きなシスコン兄貴。いつも妹のことを一番に考えているし、妹のことを愛していると大声で言ってしまうほどなので、それもう重症。妹のためにと頑張れば頑張るほど空回りしていく主人公はいっそ清々しい。
妹に友達を――。
友達を作らせてあげたいというのが兄の本心で、それは妹の不幸体質が関係してくる。妹と関わった相手には不幸が訪れるので、妹は自ら友達と距離を置くようになってしまった。物語はそんな妹の不幸を気にしない友達が出来るまでを描いていくことになる。
そのため妹で読んでいくと青春物語であり、兄で読めばラブコメでもある。
登場する女の子たちは妹含めて誰もが兄のこと好きなので、ラブコメ展開には事欠かないのだが、肝心の主人公が鈍感で気がつきませんし、端から兄の目には妹しか映っていないのがやるせない。そして、重要なのは妹もブラコン気味だということ。ある意味、両思い。
妹がお弁当を作ってくるというので、対抗して幼馴染がお弁当を作ってくれても、いつものことだと普通に食べる主人公。でも空気は読めるので、二人にどっちが美味しかったか問われたら、上手く流す。けして妹のお弁当の方が美味しいとは言わないのだ。
暴力的ではあるけれども、典型的な素直になれない幼馴染の破壊力は素晴らしい。キャラクターとしては一番好きかもしれません。着替えを凝視されて恥ずかしい台詞を言われても、直ぐには悲鳴を上げなかった彼女は好き好きオーラ出しすぎでした。
終始、複雑な三角形やら四角形やらを眺めているのは楽しい。
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いもうとコンプレックス! ‐IC‐ (富士見ファンタジア文庫)
- 作者: 稲葉洋樹,代官山ゑびす
- 出版社/メーカー: 富士見書房
- 発売日: 2012/01/20
- メディア: 文庫
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