Infinity recollection

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翠星のガルガンティア 少年と巨人(Nitroplus Books) [感想]

翠星のガルガンティア 少年と巨人

 

オリジナルTVアニメ「翠星のガルガンティア」のスピンオフ。

 

レドがチェインバーと出会うまでの物語となるので、アニメを見ていない人も楽しめるだろうけれど、見ていればより楽しめるに違いない。――というのもアニメでも謎だったレドに似た少年、ロンドが登場するからだ。

 

キャラクターの印象が変わる。

 

本作は幼年学校時代を描いているので、兵士レドではなく、少年レドがそこにはいる。人類銀河同盟の思想や社会システムについても深く言及されているので、世界を憧れとして信じている姿は新鮮だ。

 

兵士の育成機関でありながら、学生らしさと子供が抱くべき感情が渦巻いているのは、人間らしさを感じることが出来て、レドはエイミーと出会って変わったのではなく、元々素質はあったのだと感じさせた。

 

また、謎の少年ロンドについても、アニメを見ているからこそ、結末は分かっているのに、レドと同じく何故だと思ってしまう。ただただ自らの運命を許容しているわけではなく、常に戦っていたのがロンドだった。非効率だからと切り捨てられるのはあまりに悲しい。

 

ロンドの言葉ではないけれど、憧れや信じてきたものが操作されたものだとしたら。ジェンドが言ったように、常に考えなければならないし、考えるべきだ。仮想と現実は違う。レドが成長できたように、気づいたように、何かを見つけられただろうか。

 

  Presented by Minai.