終物語 (上) (講談社BOX) [感想]
シリーズ長いですね……。
戯言もいい加減に長いとは思ったものだけれど、こちらがここまで続く作品だとは思っていなかったというか。あとがきを読んで改めて感じさせられてしまっただけかもしれませんが。
さて、物語は終わりを銘打っているものの、暦の始まりを語る物語になっている。如何にして今の暦くんになったのか。羽川翼と出会う前、忍野メメと出会う前の阿良々木暦とはどういう人物だったのか。
実際問題、数学が得意得意という割りに、どの程度得意で、何で得意なのか。前々から言及していた満点云々の件はどういうことなのか。これまで気になっていたところが明かされたのは良かった。
伝奇でオカルトな怪異は登場しない。
数学と忍野扇が絡まって相まって、それこそ扇で扇がれるごとく煽られて、扇情的に扇動された。忘れていた記憶を思い出すようにそそのかされた物語。
怪異は関わっていないので、斜め上を行くミステリーに仕上がっている。しかし、言わせてもらえば、扇ちゃんの存在自体が空恐ろしいものがあるから、怪異がいなくたって存在しているみたいに、扇ちゃんの存在が怪異でした。
そして、ソダチとガハラさんの修羅場。暦くんが危機的状況に陥ったら容赦ない。気持ち良いくらいの拳をぶつけていくのだね彼女は。これまでの発言を有限実行していくところ嫌いじゃないけれど、女の子がグーパンチはいけない。ホチキスパッチンの時点でもう駄目なきがするけれども。
――終物語、どのようにして終わるのか。そも続がすでに決まっているのはどういうギミックなのか楽しみです。
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