カナクのキセキ3 (富士見ファンタジア文庫) [感想]
ダークエルフの聖神官ネウは、リーゼに唆されたカナクを追って旅に出る。黒夢の魔王となったカナクを討つと明言したオリヴィア女王に対して、カナクさんを元のカナクさんに戻すために頑張ると言い張るネウは、女王の命を受け銀獣人を探しに大氷山脈へ赴くのだが――。
登場人物がみんな物語の主役。
これまでの話が繋がっていくので、脇役だった人が次には主役になっていたりして、展開が楽しい。その反面、一つ一つの出来事は詰め込まれている感が出るのは変わらずなので、その駆け足具合から物足りない印象も受ける。
しかしながら、レニウスとリリルの殴り合い+告白大会にはこちらが恥ずかしくなる。後ろで眺めていた騎士たちの気持ちが読み手まで伝わってくるような恥ずかしさで、温かい気持ちにさせられた。世界観も魅力的ですし、想像するのは楽しい。
裏と表の構成を考えていたのも面白かった。時間軸がややこしくなって出来るだけ読ませないようにリーゼの過去を描くのは良かったのですが、もう少し余韻と展開を引っ張っても良かったかなと。
何にしても面白かった。一冊で纏めずにもっと丁寧にやってもいいとは思いますが。
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- 作者: 上総朋大,さらちよみ
- 出版社/メーカー: 富士見書房
- 発売日: 2011/10/20
- メディア: 文庫
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