杉原智則
杉原智則さんの新作。「烙印の紋章」は本当に傑作だったので、こうやって新作を発表してくれるのが嬉しいですね。タイトルからして殺伐とした物語でないと予想していましたが、読んでみた感想は「猫泥棒と木曜日のキッチン」とか「サイハテの救世主」っぽい…
杉原智則さんの新作ということで購入。 また著者のファンタジー戦記が読めるということで嬉しいです。前作からの印象で、シリアスで硬派な設定やキャラクターを配置するのかと思っていたのだけれど。一転して個性的な登場人物ばかりだ。中でも面白いのは、主…
シリーズ完結編。 ここで終わるのかという終わり方。これから更に面白くなる展開にしか見えないので、是非とも続きが読みたいところなのだけれど、大人の事情で続けるのは難しいということなのか。 アリオンとの決戦と三国同盟がどうなったのかの顛末が描か…
戦があるわけじゃない。最後の決戦に向けての前準備であり、政治的な駆け引きはあれど序章であり派手さがあるわけではない。けれど、最終巻の上巻として素晴らしい出来だった。 何より感慨深いのは、ギルとグールが面と向って己が矜持を示し、思いの丈をぶつ…
いや、ややこしい。ややこしくなってきた。 メフィウスがオルバとグールの二陣営に分断された内乱の様相を呈しているわけだが、当然、これを隣国は静観しているつもりもない。エンデ、ガーベラ共に、この期に乗じてという思いが強いのか不穏な動きが目立ち始…
ギル・メフィウスとして戻ってきたオルバ。 物語は西方からメフィウスへと舞台が移るわけだけれど、オルバが得てきたものとはなんだったのか。自らのために戦ってきたオルバが、改めて皇太子として周りを背負い込んで戦う決意を固める。そこで恐怖するオルバ…
オルバが格好良すぎる。 物語を丁寧に描いてきただけに、終盤の盛り上がりが凄い。ギル・メフィウスが死んで、オルバが影武者として生きてきたわけだけれど、そんなオルバが演じたギルも死んだ。 改めて選択が迫られる。 ギルという仮面を捨てたはずのオルバ…
引きが憎らしいほど気になる引き具合。 正直なところ、物語は進んでいない。タウーリアでガルダと戦ったオルバだが、彼はメフィウスに戻るわけではない。物語は思い悩んでいるビリーナのギル探しが描かれていく。 気持ちの整理が付いていなかったビリーナが…