Infinity recollection

ライトノベルを中心に感想を載せているサイト。リンク+アンリンクフリー。

家族

放課後のフェアリーテイル ぼくと自転車の魔法使い (電撃文庫) [感想]

杉原智則さんの新作。「烙印の紋章」は本当に傑作だったので、こうやって新作を発表してくれるのが嬉しいですね。タイトルからして殺伐とした物語でないと予想していましたが、読んでみた感想は「猫泥棒と木曜日のキッチン」とか「サイハテの救世主」っぽい…

七星降霊学園のアクマ 04 グリード・ウィング 七星降霊学園のアクマ (角川スニーカー文庫) [感想]

フハハハハハ。 アバドンとなったカグラめっちゃ格好良いじゃない。月斗たちのことなんて知らないと言いつつ、いつもの料理を振舞ってくれたり、わざと魔界から自分から遠ざけようとする。 そんな冷たいカグラを見ていたら、思わず後ろを向いた黒猫を想像し…

キスから始まる戦機乙女(ヴァルキュリア) (MF文庫J) [感想]

著者の新作ということで購入。 キスをしないと世界に殺される。主人公が生き残りをかけて、女の子とのキスに挑む物語。こう書くとコミカル全開ですが、ギャグではないですし、むしろシリアスだと言える。某作品と同じと言われればそれまでですが、本作はより…

氷の国のアマリリス (電撃文庫) [感想]

悲しいけれど、悲劇じゃない。 読んだ後に心が温かくなりますし、充実した気持ちになる。……そして、登場人物たちにありがとうと言いたくなる。人間をここまで想ってくれてありがとうと。プログラムで動いているのかもしれないけれど、確かに感情があって考え…

ジェスターゲーム 欲すれば望み、奪え (集英社スーパーダッシュ文庫) [感想]

欲望を奪い合い、己の欲望を叶える。 著者の新作ということで購入。キャラクターの描き方や台詞のセンスが相変わらず素晴らしい。現代を舞台にちょっと不思議なことが起こる作品になったときには、それが活きる気がします。読みやすいのもそうだけれど、読ん…

蒼柩のラピスラズリ (MF文庫J) [感想]

抜群の安定感。 文章が実に安定している。相変わらず、著者の持ち味とも言うべき主人公の独白は健在で、独特の間合いから放たれる台詞が面白い。物語のテンポにしても、緩急のバランスが絶妙。会話劇が繰り広げられたと思ったらシリアスに入り、またその逆も…

@HOME (2) 妹といちゃいちゃしたらダメですか? (電撃文庫) [感想]

ハートウォーミング・ホームドラマ。 血の繋がっていない倉須家の日常を描いていく物語。一巻は響の話だったが、今回は三女の芽々子を中心に物語が描かれていく。芽々子はスキンシップが大好きな女の子なので、響に対しても距離が近い。また、家族依存症気味…

キミはぼっちじゃない! (MF文庫J) [感想]

唐突に五歳の少女リリィの子育てをすることになる主人公、稲葉悠大。最初はリリィを迷子として警察に届けるが、警察は悠大が父親であると言い切り取り合ってくれない。もちろん、リリィに身に覚えのない悠大は戸惑うが、放ってもおけないので子育てに奮闘す…

くずばこに箒星 (集英社スーパーダッシュ文庫) [感想]

第10回スーパーダッシュ小説新人賞 大賞受賞作 グレードチェア制度という一風変わった序列システムが導入されている高校、了星学園。中でも、学園上位6位まではチェア・オブ・シックスと呼ばれる特別な存在で、主人公の福山英知は2ndチェアの位置にいた。日…

R.I.P. 天使は鏡と弾丸を抱く (このライトノベルがすごい!文庫) [感想]

第2回「このライトノベルがすごい!」大賞 優秀賞受賞作 不思議な力を持つフィリップ・リーダスは、何故かマフィアに追われている少女アンジェリーナ・レインに出会う。成り行きで助けてしまったものの、面倒事はごめんとばかりに縁をシャットアウトしようと…

はたらく魔王さま!〈3〉 (電撃文庫) [感想]

魔王と勇者が育児に奔走。 すっかり日本の生活に慣れてしまった魔王さまは、日夜ファーストフード店でアルバイトに励むのだけれども、そこに異世界から赤ちゃんがやってくるから大変。アラス・ラムスと名乗る赤ちゃんに四苦八苦する真奥。しかも、真奥のこと…

キノの旅〈15〉 (電撃文庫) [感想]

フォト良かったですね。 不幸な境遇からなので幸運とは言えないかも知れないけれど、選んだ国が良い国で良い人が沢山いたのは幸運でした。大金持ちになるのもそうですが、写真のことを勉強していつの間にか写真屋さんになるという流れは綺麗。 キノやシズた…

神様のメモ帳 8 (電撃文庫) [感想]

蘇るエンジェル・フィックス。 序盤の話のまとめ具合から短編集かと思っていたら、あれよあれよと話が続いていくのは面白い感覚だった。それぞれの出来事は独立もしているのだけれど、根元では繋がっている。自然な繋がりで違和感無く読ませる文章は流石。 …

うちの魔女しりませんか? 2 (ガガガ文庫) [感想]

魔女の少女と人間が出合い、別れる物語。 前作と時間軸は同じく、平行するように描かれる。なので魔女が絶滅危惧種に指定されていて、保護されているというのも同じで、最後の魔女が亡くなったというのも同じだ。つまり、前作を読んでいればオチは最初から見…

九十九の空傘 (ガガガ文庫) [感想]

人間がいなくなった世界で、自分は何者なのか、何故ここにいるのかも分からず彷徨っていた少女は青年に出会う。青年が言うには、少女はモノに宿る九十九神で、自分も九十九神なのだと説明される。世界に置き去りにされてしまった神様たちの切ない物語。 モノ…

カナクのキセキ2 (富士見ファンタジア文庫) [感想]

あの終わり方からどのように2巻に続くのか、続けられるのか予想できなかった。――そう来たか。見事にしてやられた。1巻でも感じた時間を飛び越える雰囲気が上手く表現されていて、思わず1巻を読み返したくなる。 物語は5年後、マール村にて神官として暮らしな…

雨の日のアイリス (電撃文庫) [感想]

涙が止まらなかった。 終盤はずっと泣きながら読んでいて、ここまで本気泣きするものなのかというくらいに泣きながら読んだ。そもそも、この感想を書いている今だって泣いている。いつになったら涙が止まるのか。 物語は何か新しいことをやっているわけでは…

世界平和は一家団欒のあとに〈10〉リトルワールド (電撃文庫) [感想]

ずっと一緒にいてくれる? 柚島さんがいなくなった。一通のメールを残して何日も戻らない。軋人は心配していない風を装うけれど、やはり考えることは柚島さんのことばかり。 ゲームセンターで梢にからかわれたりする軋人だけれど、この行動は柚島に怒られる…

世界平和は一家団欒のあとに〈9〉宇宙蛍 (電撃文庫) [感想]

ある日、七美から一人の少女を預かるよう頼まれた軋人たちは、ナナというその少女を、柚島の家で世話をすることにした。柚島はナナにデレデレで、軋人にしてもナナに気に入られようと必死になる。しかし、徐々にナナの周りには不穏な影が見え始め――。 何もか…

それがどうしたっ (3)人間が見つける、両手いっぱいの幸せ (集英社スーパーダッシュ文庫)

完結編。 嘘をつき続けて、病気のことや想いを隠し続けた可憐。そんな彼女の秘密は、二巻で真尋の知るところとなっているわけだけれど、それでもこれまでと変わらずに接して欲しいという。 二人の距離が近くて遠い。 夏休みに5人でキャンプに出かけるのだが…

世界平和は一家団欒のあとに〈8〉恋する休日 (電撃文庫) [感想]

面白かった。まさに恋する休日、読み終わったときに満足できる。 柚島さんの誕生日が近いということで、美智乃はこれを機会に軋人と柚島さんの仲が進むように画策する。軋人に誕生日プレゼントを買わせたり、柚島さんを買い物に誘って軋人とデートさせようと…

うちの魔女しりませんか? (ガガガ文庫) [感想]

この可愛い生き物を、私にちょうだい! 人間とは別の生物、魔女がいる世界。魔女はその希少さから絶滅危惧種に指定されており、つい最近に最後の魔女が死んだという。しかし、ふとしたことで主人公の文哉は魔女の少女を発見してしまう。少女にミラという名前…

世界平和は一家団欒のあとに〈7〉ラナウェイキャット (電撃文庫) [感想]

刻人のクラスメイトで、神様と呼ばれるほどの予知能力を持っている少女、梢が予知したところによると、あと一週間で世界が終ってしまうかもしれないらしい。この後、刻人と共に梢が家出してしまい、二人を追う軋人の前には謎の黒服が――。 刻人が主役のお話で…

おまえなんぞに娘はやれん (電撃文庫) [感想]

主人公の隼人はいつも何かを忘れている気がしながらも、日々を過ごしていたのだが、高校の部活説明会にて家庭科部の部長を務める霧島萌を見た瞬間、忘れていたことを思い出す。それは前世の記憶だった。 彼女は僕の娘だ。 前世で萌の父親だったことを思い出…

世界平和は一家団欒のあとに〈6〉星弓さんちの非日常 (電撃文庫) [感想]

短編集。 非日常とはいうけれど、やっていることはいつもと変わらずな星弓家でした。美智乃がダイエット、柚島さん委員長モード、軋人と賞金、姉二人、そしておまけ。 柚島さんは相変わらずの可愛らしさでした。美智乃に彼氏が出来た云々で軋人が暴走しそう…

それがどうしたっ 2 天使に好かれる、キケンな嘘のレシピ (集英社スーパーダッシュ文庫) [感想]

もやしトーストが個人的にお気に入り。 作中で描写されるそのビジュアルを想像して笑ってしまいました。もやしトーストを作ろうと考えるレムもレムで、何でそうなったと思わず言いたくなる、面白すぎます。 物語はそんな頭ゆるゆる悪魔レムと、彼女と同居す…

世界平和は一家団欒のあとに〈5〉追いかけてマイダーリン (電撃文庫) [感想]

もう柚島さんお嫁に来ちゃえばいいのに。 作中で四巻の出来事以降、彩ねぇが竜介さんの家へご飯を作りに行ったりして、まるで通い妻をやっている、みたいなことを軋人が言うのですが、それでは軋人の前に並んでいるご飯を作ったのは誰だというのでしょうね。…

@HOME 我が家の姉は暴君です。 (電撃文庫) [感想]

藤原祐さんの新作ということで購入。 両親を亡くし、倉須家に引き取られることになった主人公。いきなり6人も兄妹が増えることになったのだが、その6人は全員とも血が繋がっていないという。奇妙な関係の家族が織り成すホームドラマ。 いきなり家族が増えた…

アカイロ/ロマンス〈6〉舞いて散れ、宵の枯葉 (電撃文庫) [感想]

始まりと終わりが綺麗だった。 いつものように漫画パートで始まるわけなのだけれど、それが何とも切ない。これを読んでから本編にいくので、その対比とつながりに胸が熱くなる。 丁寧に進めてきたシリーズだけれど、今回もそれはしっかりしていて、予定調和…

アカイロ/ロマンス〈5〉枯れて舞え、小夜の椿 (電撃文庫) [感想]

全てがつながり、謎が明らかになる。 景介が鈴鹿の一族の争いに巻き込まれて始まった物語。今までに積み重なってきた伏線を回収しつつ、あれよあれよという間に怒涛の勢いで物語が展開された。 デートで良い雰囲気、明るい部分を読ませて、突き落とす。 枯葉…