影の皇子 タザリア王国物語〈1〉(電撃文庫) [感想]
孤児の少年ジグリットは、タザリア王国の皇子であるジューヌと顔が似ているということで皇子の影武者をすることに。皇子と同じように武術、学問を学び成長していくが、その才覚は本物の皇子以上で――。
設定がしっかり作りこまれていて、物語の進め方も非常に丁寧。
このボリュームを一巻でまとめ上げたのは凄いけれども、戦記モノという側面はまだ出てきていない。あっさりとした物語で、入れ替わりモノとして進めていくのだろうか。
キャラクターも人物像が想像しやすくて上手い。タスティンやファン・ダルタの男は格好良いですし、王女のリネアなどは嫌味さが凄く、これによってアンブロシアーナが天使に見える。
中盤以降は階段を駆け上がっていくような面白さ。ジグリットがこれまで抑えてきた気持ちを読み手は知っているので、自然と感情移入できてしまう。文章がとても上手い。
面白かった。ただ、一巻だけでは物足りなさも残るので、二巻を読んでみようと思う。
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- 作者: スズキヒサシ,あづみ冬留
- 出版社/メーカー: アスキー・メディアワークス
- 発売日: 2006/07/10
- メディア: 文庫
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