棺姫のチャイカIII (富士見ファンタジア文庫) [感想]
人を信じるということ。
信頼とはどういうものなのか。信頼しているからと言えば信頼関係が出来上がるのかといったらそうじゃない。一緒に過してきた時間なのかと言われても、それは情かもしれないし一概に信頼かと言われると首を捻りたくなる。
ガス皇帝の遺体を集めるチャイカに対して、主と仰いでいるトールは何を持って彼女についていくのか。改めて問われたときに、上手い答えが出せないトール。そんな彼を主軸に、信頼について考えていく。
トールの心意気や境地には到底達せそうにないというか、精一杯生きて全力を出し切った者だけが至れる場所で。それにしたって、例え騙されたのだとしても、裏切られたのだとしても、まあいいかと許せてしまう。自分が信じたから、と割り切れるトールは格好良い。
疑って裏切られても、やっぱり守る。最後まで裏切らないトールの心意気が熱かった。
物語には八英雄の一人であるシモン・スカニアが登場するわけだけれど、例によって不幸な運命を辿っているシモンでした。八英雄はまともな生活をしている奴はいないのかしら。今後は皇帝と八英雄のつながりも描かれるでしょうから、注目していきたい。
面白かった。
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- 作者: 榊一郎,なまにくATK
- 出版社/メーカー: 富士見書房
- 発売日: 2011/10/20
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