Infinity recollection

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カミオロシ 縁結びの儀 (電撃文庫) [感想]

カミオロシ―縁結びの儀 (電撃文庫)

 

御堂彰彦さんの新作。

 

学年トップの秀才である玖流緋澄と彼と双璧をなす才媛の識読美古都は、課外授業で神社を訪れる。その神社は最近学校で流行っている恋愛成就の”おまじない”と関連がある神社らしいのだが、おまじないに興味ない二人には関係のない話。けれども、そこに集まったほかの生徒たちは誰もがこのおまじない目当て。軽い気持ちでおまじないをするのだが――。

 

人が次々に死んでいく。

 

恋愛成就のために行ったおまじないなのだけれど、それはまるで呪いのように死を呼び込む。全体的にミステリーとオカルト、ホラー、ダークと言った単語を連想する雰囲気が漂う。特にオカルトとミステリーがメインとなっており、不可思議な現象に対しても論理的にアプローチしていく玖流に好感が持てる。

 

オカルトの要素はあるが、しっかりとミステリーをしているし、読み手に謎を解明するチャンスを作っている。推理をあらぬ方向へ誘導するギミックも組み込まれており上手い。

 

また、玖流と美古都の関係性が魅力。

 

幼馴染ということもあって、お互いが言わんとしている事を察して受け答えをしているように見えて、それがとても心地よい関係性に映った。口では皮肉の応酬なのだけれど、その皮肉も心を許しているからと考えると仲良いなと。

 

二人の関係性は出来上がっているのに、それに本人たちが気付いていない。特に玖流が気付いていないというのが良かった。意識し始めることにはなるが、これからどうなるのかとても期待できる。

 

面白かった。続きも読みたい。

 

 Presented by Minai.