俺のコンビニ (メディアワークス文庫) [感想]
東京で挫折した良平は故郷に戻り、実家の商店を手伝うでもなく、一人何もせずに過ごしていた。しかし、母親の代わりに店番をしたことで、やはり自分は店が好きなのだと気付き、コンビニを立ち上げようと決意する。
物語はそのままコンビニエンスストアを経営する話。普段はお客として使うコンビニの裏が描かれており、従業員である高校生たちと困難を乗り越えていく。
面白くないわけじゃない。ただ、おしい。
コンビニの成り立ちなどは輪郭だけは知っていたが、詳しいところは知らなかったので興味深かった。けれども、営業開始してからのことがあまり描かれないのでそこが残念。
あくまで、主人公がコンビニを開店させるまでの頑張りを、高校生たちと青春しながら描いていて、読みたかったコンビニ経営の部分はあまりなかった。
あらすじを読まず、タイトルだけで購入したのだけれど、タイトルだけで内容を想像してしまったのが裏目に出た。
高校生の青春は良かった。開店に合わせて雇った高校生たちは、それぞれタイプが違うし、研修を通してその関係性が変化していくのは面白い要素だ。
ただ、せっかく面白い人達をそろえたのだから、そこでもっと広げて欲しかった。全体的な構成としても、開店するまでの主人公を描きすぎて地味になってしまっている。
他店と競い合うような部分を読んでみたかったのです。
Presented by Minai.