神と奴隷の誕生構文 2 (電撃文庫) [感想]
正真正銘の導く神か、それとも百年に一人の詐欺師か。
有角、有翼との同盟を果たした次は、盲民族との接触を図る。彼らは生まれながらにして目が見ず、視覚ではなく聴覚で物事を判断する種族。その国自体も鎖国していた為にセレィは苦労する。
戦いよりは政治がメイン。
今回は国に攻め入る、軍勢がぶつかり合うような戦いでの面白さというのは無いに等しい。中盤まで終始、外交に力を注いでいて、アヌビシアという国のあり方、登場人物の説明がなされる。
クラァシンが作中で言うように、相手を武力で支配下にいれていくというのも、彼が目指しているところと違うのは分かるのだけれど、己の首を絞めている気がしないでもない。
それに、クラァシンの言以外にも、そもそも国力が低下しているからという理由もあるので、戦いの妙が読めないのは残念ではあるが、戦いが薄いことは納得した。そこは次巻に期待する。
政治について、というよりは、そも政治的かと言われるとそこもまた違うような気がしてきた。お互いの文化がどうのという方向で話を進めたと言った方が合っている気がする。
また、そこに至るまでのインターバルとして、メリェ、コリォのラブコメ具合は楽しめました。押しの強いメリェよりは、健気なコリォの方が好きですけれど。それに、サーリャもそこに加わろうとしているのが見て取れるのが良い。
全体として本編の間に挿まれる細かいところは楽しめましたが、箸休めのように、物語の大きな枠は勢いが失速した印象はある。
神狩り部隊にしても、あっさりしていて、ほとんど見せ場がないまま退却してしまったので、拍子抜けといえば拍子抜けしてしまった。二巻で進展したことが地味だったので、よりそこを強く印象付けられたのかもしれない。
楽しめたが、物足りなさも残る。
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