千の魔剣と盾の乙女 (一迅社文庫) [感想]
魔王を倒す正統派ファンタジー。
世界観と設定が予想よりもかなり深かった。可愛らしいキャラクターやラブコメ、魔剣という格好良いアイテムで丸くはなっているのだけれど、改めて考えると殺伐とした世界を描いている。
――そこが良かった。
主人公のロックが熱いけれど努力する真面目な良い奴なので、彼が頑張っているのを応援したくなる。それに、強さのバランスが取れているのも上手い。ロックが最強ではないので、読み進めていくうちに彼の成長を期待させる方向に物語が向いている。
脇役のキャラクター格好良い。
バルトゥータス然り、クレイヴ然り、男が良い動きをしていた。表紙にしろ挿絵にしろ女の子が目立つけれど、男が格好良い。
師匠は弟子との関係性が見えるのもいいが、彼自身が抱えているものが魅力になっている。クレイヴも最初は嫌な奴だけれど、ロックの強さは認めているし、素直になれないだけなのだと分かって好感が持てる。
そしてフィルが可愛らしい。
エリシアではなくフィル。小悪魔的な仕草も見事だけれど、ふとしたところでロックにみせる可愛らしいところが魅力だった。彼のことが大好きだけれど、エリシアに譲っているところがあって、それがこれからも変わらないのかどうか。
楽しみなことがとても多い作品。面白かった。
Presented by Minai.
- 作者: 川口士,アシオ
- 出版社/メーカー: 一迅社
- 発売日: 2010/12/18
- メディア: 文庫
- 購入: 3人 クリック: 26回
- この商品を含むブログ (10件) を見る