ロマンス、バイオレンス&ストロベリー・リパブリック 2 (ガガガ文庫) [感想]
物語はファンタジーだけれど、ミリタリーということで、そこは今回も新鮮に読めた。エルフやドワーフ、トロールなどがいる世界で、焦点は人間たちの特殊部隊。
リョウトを主人公に、剣と魔法が飛び交う中で、現代の銃や爆弾といった単語が脳裏を霞める。戦場は軍馬や騎士、魔術師がいるのだけれど、何故だか火薬のニオイが鼻をつく。
一見ミスマッチにも映る要素が上手くかみ合っているのが、そのまま作品の魅力。
二巻は軍事強国マルランダへの潜入任務。マルランダは魔女による独裁が行なわれており、逆らうものは容赦なく殺される。そこで、リョウトたちが極秘に独裁者を暗殺することに。
もちろん、これはただの善意ではない。非正規作戦をするからにはそれなりのメリットがあるからで。そこは政治的なやり取りも含まれる。そこら辺はシビアで、登場人物にも容赦ない。
いつでも死ぬ環境がそこにある。
本当に誰が死ぬか分からない。過酷な環境を忠実に、地獄をそのまま、残酷さはより残忍に。そしてエロいところはエロく。とにかく表現が強烈なのは、著者らしさ。
キャラクターたちが必死に生きているし、死を鮮烈に描くだけに生きることが輝いている。
潜入任務をするにあたり、冒険者を装うのだけれど、このパーティーが本当に冒険者だったらと思わずにはいられなかった。このメンバーならどんなモンスターにも負けないだろう思わされたので、ついダンジョンを攻略するファンタジーを期待してしまった。けれども、彼らは軍人。
作中でもリョウトが思い描くのだけれど、その後でゲオルギウスが言葉にするものだから、読み手までもが変な連帯感で繋がってしまった。酒場でそれを言われたら、否応なしに仲間意識が生まれてしまう。
最後は、銀腕のコルテスとの決着がどうなるのか、楽しみながら読んでもらいたい。面白かった。
Presented by Minai.
ロマンス、バイオレンス&ストロベリー・リパブリック 2 (ガガガ文庫)
- 作者: 深見真,織田non
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2011/01/18
- メディア: 文庫
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