★★★★
エドワード・スミス先生の新作。内容は王道戦記モノでとても好みですし、「侵略教師星人ユーマ」を書いている作家さんですのでその文体と構成の読みやすさには確信がありますから安心して購入できますね。戦記モノといってもひとえに様々あるわけですけれど…
絶望で彩られた世界の中で、希望となるボーイミーツガールを描く。「消閑の挑戦者」や「ムシウタ」でお馴染みの岩井恭平先生の新作。突如として人類の敵が現れたことで東京は侵入不可能の怪物たちの世界となってしまう。主人公は東京に閉じ込められた幼馴染…
高性能アンドロイド・アリスが普及した未来。人間とロボットとの交流を描いていく作品なわけだけれど、語られた物語はタイトルの通りに終盤になるまで真相を分からせない丁寧な作りで優しくて儚い悲劇となっている。愚者とは果たして誰を指した言葉なのだろ…
夏って怖い。夏休みって怖い。学生の夏休みって怖い。大学生の夏休みなんて最上級に怖い。羨ましいほどに何もしない。ちょっと不思議が起こるけれど基本何もしない。何でこんなに何もしていないのにキラキラ輝いて見えるのか。ただただ、青春という日々を過…
頬の筋肉が緩むこと緩むこと。文章を読んでいてここまで身悶えるラブコメは文句のつけようがない。一巻のときから感じてはいたのだけれど、主人公である優樹とヒロインである世界の関係が何だか明治大正浪漫とでもいいましょうか。どこか古風な間柄や距離感…
心をグサグサと抉ってくるのがたまらない。学生諸君が抱えている友情だとか恋だとかの悩みのモヤモヤ感を、これでもかと眼前に突きつけられて思わず読んでる方が恥ずかしくなったり目を背けたくなる感じ――でもちょっと見てみたい、みたいな。天沢夏月氏が描…
やっと読めました。あとがきを先に読むことが多いので今回もその例に則ったわけですが、それによると上下巻構成となっているらしく本の物理的な薄さもあり、まとめて読んだ方が面白いという判断を個人的にしていたので4巻発売のタイミングで3巻を読み始めた…
死ぬ気で頑張る。文化祭だってそれは同じだ。岩佐や大河内に言った手前、文化祭にも積極的に関わろうとするけれど、横須賀の中では何かが違う。三年後に死ぬという現実と死ぬ気で頑張り悔いを残さないという一種の矛盾、死なない為にも自ら動くしかないが明…
月面から見る景色は数式が描き出した美しく優しい少女の心か、はたまた螺旋になって積みあがった摩天楼の強欲か。この世の富が集まる人類のフロンティアで流れる少年と少女の青春活劇が与えてくる刺激は心地よくも儚かった。 株式投資をテーマに金融とは何か…
あらすじを読んで面白そうだからと購入していたのが、500頁を超える作品だけに、手をつけるまでに時間がかかりました。当然、読み終わるまでにも時間がかかりましたが、アニメ映画を見ているような雰囲気のある作品でとても読みやすかったですし、世界に入り…
ベテラン作家の素晴らしい安定感。シニカルシニカル。 好きなのは「私の戦争」でしょうかね。「アリソン」や「リリアとトレイズ」で読んだときに感じた胸躍るワクワク感と手に汗握る緊張感を短編ながら感じました。来月は電撃文庫で「ソードアート・オンライ…
最終巻です。あとがきにあるように、残り2巻のところを1巻にまとめられたようですが、内容を詰め込んだわりに駆け足になりすぎることもなく、エピソードを上手いように展開させていて流石でした。むしろ、展開全てに見せ場がやってくるので、高揚感を持続さ…
河野裕さんの新作となる階段島シリーズです。サクラダリセットの透明感だとか綺麗な文字に惚れた一人なので、今回の新作も期待して読みましたが、流れてる空気が澄んでいました。作品の世界が11月なのでその影響もあるのかもしれませんが、登場人物たちが白…
第二章。 上手いですね。ギアを上げてくるというか、新展開を読ませるにしてもコチラが読みたいときを見透かしたように読ませてくれますし、達也が一歩を踏み出してしまった分岐点にしても描写する部分を丁寧に選択していて好感が持てる。 新キャラクターの…
スキルシステムを実装しました。 藤が活躍する「ラットマン」、敷島が活躍する「ねずみおとこ」にルート分岐し、お互いのやり方が明確になった今回。あくまで王道に、犠牲者を極力少なく自分が怪我してもがむしゃらにクリアを目指す藤。あくまで非道に、効率…
これまた面白くなってきた。 ジンというライバルが登場してから、世界が一気に広がっているけれど、まさに第二部スタートという内容。表題にもある通り、資質は真逆でも王の器をもって生まれた馳朗とジンの元に、自ずと忠誠を誓う臣下が集まり始める。 依頼…
平行世界の彼女、どちらかを選ばなければいけないとしたら――。 タイトルにシュレーディンガーなどとつけられてしまったら、これはもう買うしかない。一目でSFなのだと分かりますし、表紙も青春している雰囲気が出ていて好きですね。中身の方も、けして裏切ら…
これ以上君と話すことはないよ。戦おう……。 分かっていたけれどついにこのときが来てしまいました。これまで旅をしてきて、楽しいときも苦しいときも目標に向かって歩んできたユージオとキリトですが、圧倒的な力の前に想いが歪められる。 離れてはじめて分…
各研究機関の技術と成果を見せる祭典、TECHカーニバルにスタッフとすて参加することになった隼人とフラウ。巷では爆弾魔の事件が多発していて、このTECHカーニバルも標的になり、隼人たちはそれを止めるために奔走する。 読みやすいですね。構成が綺麗なので…
ある日青年は自分の恋が妄想だったことを知る。 大学一年生の春、新しい環境での大学デビューを果たそうと意気込む主人公だったけれど、憧れの人が妄想だと気付いたときに、彼の大学生活は早々に終わった――。そして二年生の秋、彼の目の前にジョナさんと名の…
誰しもが思ったであろうまさかの続刊。 綺麗に一巻で完結していた物語だっただけに、驚きもあり嬉しくもあり心配もしつつという、何とも複雑な心境で読んだのだけれど、著者の文章はやはり心地良い。とても読みやすい。 丘ペンギンことアリスと秀明のゆるい…
やはり世界観が良い。十九世紀のロンドンということもあるけれど、そこで繰り広げられる冒険ミステリーに、誰もがどこかで聞き覚えのある小説や歴史上の有名人たちが入り乱れてのお話なのでワクワクさせてくれるのだ。 物語を引っ張っていく伏線と構成が美し…
新聖祭が間近に迫り、銀砂糖の準備を急ピッチで進めるペイジ工房だったが、その中の一人オーランドがラファルに襲われ負傷してしまう。キャットが助っ人にやってくるがそれでも人数は変わらない。職人が一人減ったことで窮地に立たされるペイジ工房。 ――そし…
一泊二日の学校対抗戦。 テンポよくゲームを紹介して楽しさまで伝えてくれるのが良いですよね。知ってるゲームが出てくるとそれはより顕著で、説明にしても共感しながら頷きながら読めますし、ゲームのコツを知っていれば登場人物たちの技術に凄いとか納得し…
ワクワク感と冒険している感じが好きでした。 それは本作にもしっかりと受け継がれている。上巻は「メグとセロン」の延長線上のようなところから始まり、「リリアとトレイズ」が重なっていくような物語でしたが、下巻は「アリソン」そのままでした。 アリソ…
一度、感覚で読むことに集中できてしまえれば、凄く読みやすい。物語の構成が綺麗なので、そこで躓くことはないですし、流れが綺麗だからこそ、振り仮名が活きてきて新鮮に頭に映る。読んでいというようりは観ているといったところだろうか。 ミスターの一人…
こんなゲームはクソゲーだ。 永遠と10分後に怪獣に踏み潰されて死ぬ人生。生き返ってみれば、特にボーナスポイントがもらえるわけでもなく、チュートリアルはおろかルール説明すらない。もちろん、スキルや特殊能力なんてものはあるはずもなく、ただただ強く…
ミュセル。君は僕の心の清涼剤だよ。 作品の雰囲気を一気に変えてしまうのは流石ですね。いっそ美しいくらいに展開に無駄がない。慎一の補佐役、もといライバルとして光流という新キャラクターが登場するわけだけれど、表と裏、白と黒、オタクとして真逆の対…
ひたすら一直線な槍になれ。 これは面白かった。スポーツを題材とした作品は忘れた頃にやってきて、その度に心を鷲づかみにされている気がするけれど、やはりマイナージャンルなのでしょうね。この手の作品はもっと読みたいけれど、ファンタジーやラブコメみ…
本当に素直じゃない。 クースラは相変わらず意地っ張りですね。大人なようでいて考え方などは子供なので、どうしても自分からお願いするだとかは出来ないのですよね。プライドとでもいうものでしょうか、恥ずかしいと考えているからなのか、気になっているの…