ロゥド・オブ・デュラハン (このライトノベルがすごい! 文庫) [感想]
ダークファンタジー。
とにかく人が死んで、ひたすら暗くて重い物語。そんな中で、死を告げる精霊であるところデュラハンを上手いこと料理して「生と死」を描いている作品。
死人は生き返ったりしないのが世界の法則だけれど、それを捻じ曲げる死霊術。死者を生き返らせる為に、生者を生贄にするということは、あくまで生者側の身勝手でしかない。死者からすれば生き返ることは望んでいないだろうし、それらは死者に対する冒涜でしかない。
それでも生と死を逆転させようとする人の業のなんと浅ましいことかと。無理やり魂までも切り裂かれる死者の気持ちを描いているところは、やるせないなと思わせる。
また、上でも言っているように血生臭い。登場するキャラクターが簡単に死んでいくので、昨今のキャラクターで読ませるライトノベルとは進んでいる方向が違って凄いなと。
ただ、設定のわりにはあっさり幕が下りた印象を受けたので、余韻は欲しかったかもしれません。全体的に文章がどこか古いというのか、表現として読みやすいというより……何だろう古典的というのだろうか。
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ロゥド・オブ・デュラハン (このライトノベルがすごい! 文庫)
- 作者: 紫藤ケイ,雨沼
- 出版社/メーカー: 宝島社
- 発売日: 2012/10/09
- メディア: 文庫
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