睦笠神社と神さまじゃない人たち (このライトノベルがすごい! 文庫) [感想]
この人の描く作品の雰囲気が好きだ。
物語は主人公の冬基が傷ついたイタチを助けたところ、イタチが美少女の神様だと名乗り神社に居座ってしまったことで、日常のちょっとした不思議に出会うというもの。
これだけだと騒がしいラブコメを想像してしまうが、そうじゃない。主人公の冬基は感情が薄い男の子だが、傷ついたモノを放っておけない優しい奴で……天然だ。物事を冷静に見れる大人なので、高校生らしくない。
けれども、この冬基は天然でお人好しなので、面倒ごとに首を突っ込もうとする。その度に神様ライと幼馴染のヒロインが手助けやら守ってあげたりやら、とにかく冬基を全力でフォローする。これは読み手も同じで、ふわふわした冬基を見守るように物語を楽しむことになる。
この楽しみ方が良い。
大事件が起こって云々とかではないので、退屈するひとは退屈するのだろうけれど、作品の中でキャラクターが生きているから素直に読める。台詞選びも上手く、コミカルになり過ぎないライの無邪気さだったり、女心を理解できないときの冬基の被せ台詞だったり、バランスが丁度良い。
Presented by Minai.
睦笠神社と神さまじゃない人たち (このライトノベルがすごい! 文庫)
- 作者: 深沢仁,Nardack
- 出版社/メーカー: 宝島社
- 発売日: 2013/08/10
- メディア: 文庫
- この商品を含むブログ (3件) を見る