Infinity recollection

ライトノベルを中心に感想を載せているサイト。リンク+アンリンクフリー。

フルメタル・パニック! アナザー3 (富士見ファンタジア文庫) [感想]

フルメタル・パニック!アナザー3 (富士見ファンタジア文庫)

 

表紙を拝見して、まずは誰と口にしてしまったけれども、イケメン王子でしたか。後ろのASも気品があるというか騎士風なので、これまであったASとは違うなと印象付けられる。

 

ユースフは一瞬だけ登場するだけのキャラクターだと思っていたら、この巻では準主役の扱いで驚いた。達哉とライバル関係になっているのが楽しいし熱い。競争する相手がいると、相乗効果で二人とも魅力的に見える。いいですね、同じ部隊に放り込まれるのが今後を想像させてワクワクします。

 

また、ユースフの周囲が濃い濃い。お目付け役のオッサン執事にしてもそうだけれど、特に無表情な幼馴染メイドが強烈だ。毒舌なのかはまだ分からないが感情が薄いので、発言が直球。物語のリズムに変化を加えてくれる貴重なキャラクターです。

 

ユースフとの関係は身分があるので現時点では引いているが、今後どうなるか背景がどうなっているのか気になるところ。膝枕されてしまうユースフが羨ましいったら。

 

リーナと達哉。

 

物語の焦点はここに集約されていく。この二人が真っ向からぶつかることになろうとは。心の奥で拭えない気持ち悪さを抱えてきたリーナが、これまでも少しずつ描写されてきたけれど、ここで二人の距離感と考えを交換する。相手に聞くのが一番早いが、二人とも不器用なのです。

 

才能だけでとんとん拍子に進んだ達哉と、努力で這い上がってきたリーナ。暗くなりそうなところを爽やかに持っていく手腕は素晴らしい。上手いです。

 

一度ぶつかってみて、相手のことを再認識する。達哉のことをどう思っているのか。リーナのことをどうおもっているのか。葛藤も学生らしさが垣間見えるので、大いにコミュニケーションとって周りも巻き込んで楽しくやって欲しい。今後はリセット出来た距離感がどのように詰まっていくのか、または離れてしまうのか楽しみだ。

 

面白かった。レイブン二号機などいう素敵要素も入り込んできたので益々目が離せない作品。

 

 Presented by Minai.