やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。4 (ガガガ文庫) [感想]
八幡が面白すぎる。夏休みで葉山のリア充グループと夏休みイベントをこなすことになるのだけれど、八幡はぶれない。いっそ清々しく突き抜けるほどに残念さをかもしだすのはもはや才能。そのうら寂しい背中と絶望した思考には頭が上がりません。
とはいえ読んでいる限り、八幡は己の境遇やら人生やらに達観してしまっているので、毎回登場するぼっちエピソードに心が締め付けられたり痛々しかったりはするが、明るい雰囲気になっているのはシリーズ通しての作品の魅力なのでしょうね。
台詞選びが独特で予想外。
これも毎回言及している気がするが、キャラクターの言動を受けての返しや独白での台詞が、分かってしまうと何故だか勝手に共感したように八幡が近くに感じる。まさかそういう返しが来るとは思わないので、変なところで笑わされる。
物語としては、夏休みに合宿に来たことで、リア充グループとの距離感と関係性が微妙に変化する分岐点を描いていることと、合宿先で出会う小学生たちがこれまた空気という魔物に取り付かれて仲間はずれを作っているので、それを何とかしようと言うもの。
解決方法が斬新すぎて引いてしまうよ八幡先生……。
どうなんだと疑問符が頭をよぎるが、かといって他に思いつかない。最低だと八幡は言うが、例え最低だとしても実行して助けようとする八幡は格好良い。また、この行動から葉山との距離感だったり、雪乃との過去が伏線気味に語られるので、これからどうなるのかとワクワクが止まらない。
最後の引きを見ても、一冊として芯が一本通っていたことが分かるので、繋ぎのおまけイベントではないことが全体を見返すと改めて感じることが出来る。美しかった。
――しかし、八幡は彩加にトキメキすぎだろう。加えてロリコンじゃなくシスコンだと名言しちゃうくらい小町が大好きだし……。いや、それでこそ八幡か。面白かった。
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- 作者: 渡航,ぽんかん?
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2012/03/16
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