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Infinity recollection

ライトノベルを中心に感想を載せているサイト。リンク+アンリンクフリー。

キノの旅 (18) the Beautiful World (電撃文庫) [感想]

キノの旅 (18) the Beautiful World (電撃文庫)

ベテラン作家の素晴らしい安定感。シニカルシニカル。

 

好きなのは「私の戦争」でしょうかね。「アリソン」や「リリアとトレイズ」で読んだときに感じた胸躍るワクワク感と手に汗握る緊張感を短編ながら感じました。来月は電撃文庫で「ソードアート・オンライン オルタナティブ ガンゲイル・オンライン I スクワッド・ジャム」が発売予定になっていますし、正直どうなんだと思っている人はこれを読んでみれば良いのではないでしょうか。銃器の描写とか戦闘の緊迫感など、ソードアートの世界観でこれをやったらどうなるのだろうと。正直、見越して狙って執筆しているのでは?と勘ぐらないでもない。

 

「税金の国」「お金の国」はタイムリーというか何と言うか、お金って使わない(使えないと)と意味がないというか、作中でもチラッと言及していますが、使うことで得られる事象(物やサービス)に意味を見出すモノで、持っているだけじゃ意味がない。大富豪だからって現物(家や車や時計や服、金銀財宝でもいいですが)を持っていなければ、一般人と変わらないのと同じですね。日本に住んでいる限り、通貨は円ですから基本的に円しか使えないわけで、極論すれば日本ではドルとかユーロには紙切れと同じ価値しかないとも言えます。ですが、同じお金です。大企業やら金融関連なら、自前でドルやらユーロやら世界の通貨が必要なのでしょうが、日常レベルで必要になることはないと思います。「お金の国」では面白いことにお金(お札と硬貨)そのものに価値を見出してしまっていて、お金の価値が信用にあることを全く考えていないのが面白い。純金とかならともかくお札は紙ですから、それを大切に保管する姿を想像するとシニカルです。この国の人たちは得たお金で、他の国と貿易をするという考えもなかったようですから、コレクターと言われてもしかない。そんな普段は当たり前に使っているものを別の角度から考えたときの面白さを再確認させる話でした。