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ウィザーズ・ブレイン〈4〉世界樹の街〈下〉 (電撃文庫) [感想]

ウィザーズ・ブレイン〈4〉世界樹の街〈下〉

 

  読んでいて失速したようにも思えた。というのも、今まで以上に登場人物がいるのに、視点切り替えが極端に早かったりするので、局所的に読み難くなっていたりした。

 

 何をやっているのか把握するので、テンポを失った印象が強く、それを把握してもあるときは次のページで視点が切り替わり、あるときはそのまま続き、慣れないところで右往左往した。

 

 ――それでも、物語は面白い。作中に生きる人達の不器用さは魅力だ。

 

 今回も子供たち大人たち関係なく、それぞれが悩みを抱えたり、独りでは生きられないというのを体現していた。

 

 それはリチャードの科学者とは何だろうという疑問であり、エリザベート・ザインの残した物であり、ファンメイの苦悩であり、ヘイズの甘さであり、フィアの優しさであったりするわけだけれど。

 

 それでも頑張っているわけで。シリーズを通して彼ら彼女たちはそれに立ち向かっていくのですね。そして、やはり人形使いの成長を描いているのが四巻です。最後読み終わったときに、何かが変わっている彼の姿は微笑ましい。

 

 世界樹の種が示す5%の成功と100%の成功、物語ではこれが成り立たなかったわけだけれど、選べと言われたときにはやはり判断がつかない。錬の希望があるならやるべきという言い分も分かるし、ファンメイが明示した絶対にある少し先の未来も本当で、どっがいいのかということではない。

 

 どんなことをしても突破できないことはある。そこで諦めるのではなくて、そこから何をどう行動するかが大切。

 

 毎回そうだけれど、考えされられてしまいますね。面白かったです。

 

 Presented by Minai.

 

ウィザーズ・ブレイン〈4〉世界樹の街〈下〉

ウィザーズ・ブレイン〈4〉世界樹の街〈下〉