ランジーン×コード (このライトノベルがすごい!文庫) [感想]
第1回このライトノベルがすごい!大賞 大賞受賞作
通常の人間とは異なる形で世界を認識するようになった者たち――コトモノが存在し始めて27年が経過した世界。最近、全国ではコトモノが襲われる事件が多発していた。自身もコトモノである武藤悟朗は、この事件を追っていたが、犯人が幼馴染の成美であることを知り――。
一言で表現するなら、凄かった、ということになるのだろうし、大賞を取った作品だと納得が出来る内容にはなっているのだろう。細部まで考えられている設定や世界観からもそれは理解できる。
けれども、それが面白さという意味で考えたときに、読み手にはどう映るのか。確かに”凄い”のだけれど、その凄さに読んでいて疲れる。
物語を一冊にまとめたのは素晴しいことだが、内容が内容だけに詰め込みすぎている感は否めない。終始、緊迫しているのも疲れるし、ロゴの行動を追い過ぎていて物語が停滞している印象を受けた。
そんなわけで、とにかく読むのに苦労した。世界観が独特なので、それを理解しようと努力していると物語に集中できず、どうしても途中で手が止まってしまう。
ある意味では、目指しているところが違ってきてしまうかもしれないけれど、尖った部分が削れるかもしれないけれども、もう少しラブコメやギャグの比率を大きくした方がバランスが良い。
個人的にSFサイエンス・フィクションを強く感じたので、そこは楽しめた。コトバが生きているかのように人間の脳で増殖し、コトモノの認識からくる現実との乖離というか、上手く説明できないが、そういうのは良いと思う。
気に入った部分はあるし、つまらないわけでは絶対にないのだが、単純に読み難くて疲れる。
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- 作者: 大泉貴,しばの番茶
- 出版社/メーカー: 宝島社
- 発売日: 2010/09/10
- メディア: 文庫
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