ファンダ・メンダ・マウス (このライトノベルがすごい!文庫) [感想]
横浜を舞台にしたくそったれな物語。
まずは、これをライトノベルというのかどうか、やたら擬音が繰り返されたり、主人公の独白が奇天烈で独特。そも、文章が文章の体をなしていないので、書かれていることを直感で捉えるような部類の作品だ。
そんなわけ分からなさなのだけれど、楽しめてしまった。
実のところ、この部類の作品は好き嫌いが自分の中でも二極化していて、これはどっちに含まれるのか、読み始めた段階で疑ってかかっていた。結果としては、好意的に受け取れた。
それもこれも、良くも悪くも、マウスが大暴れしていたからだろう。
主人公のマウスは品位の欠片もなくて、チンピラ然としているキャラクターなのだが、読み進めていく内に彼の良さが判明するので、そこからはマウスが格好良く映る。
誰かの為に自分が傷ついても構わない。損得ではなく、誰かの為になればそれはそれでいいんじゃないの、そんなスタンスを貫くマウス。彼の周りに集まるキャラクターが個性的なのも良い。
姉ちゃん、びがろ、ミチルちゃん、もそうだけれど、AIと本気で喧嘩する主人公が楽しい。
しかしながら、文章が読み難いことは壁であるだろうし、現実を扱っているはずなのに現実を超えた現実で、ダークというよりもハードな内容に耐えられるかどうかは問題。
構成やら何だったのかという突っ込みがないわけではないが、説明を省いたスピード感は素晴しくて、引き込まれたという意味では凄かった。
Presented by Minai.
ファンダ・メンダ・マウス (このライトノベルがすごい!文庫)
- 作者: 大間九郎,ヤスダスズヒト
- 出版社/メーカー: 宝島社
- 発売日: 2010/09/10
- メディア: 文庫
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