暴走少女と妄想少年 (このライトノベルがすごい!文庫) [感想]
鎖骨骨折から始まる青春ラブコメ。
タイトルが示しているように冒頭から、主人公の善一がヒロインの武瑠に鎖骨を折られます。それでいて、武瑠は友達になってくれないかと善一に問いかける。
武瑠はその暴走が凄いので、美少女なのに今まで友達がいない。高校では一人くらいは友達を作ろうということで、善一が選ばれたのだが、武瑠はそれ以上友達を作ろうという気配を見せない。
友達が欲しいけれど、いらないという、複雑な心境の武瑠。そんな彼女に何とか友達を作ってやりたいと善一は頑張る。鎖骨を折られてるのに、頑張る。今の流行に乗って王道をやっていました。
美少女だけれども、暴力が酷い。
善一がクラスメイトの白柳と、貧乳か巨乳かでバカみたいに言い争いをしていれば容赦なく拳が飛んで来ますし、馴れ馴れしい奴には容赦なく金的。口癖も悪い。
善一は妄想をするけれども、その妄想よりも武瑠の暴走が目立つので、それほど妄想している印象は受けないし、妄想する以外は普通の奴だ。ある意味では、武瑠と善一のバランスが考えられているのかもしれません。
それは善一と白柳でも言えて、善一と武瑠だと武瑠が勝つが、善一と白柳だと善一が勝つので、そこの関係性も考えられているのかなと。
導入部では単純にギャグラブコメなのだけれど、話が進んでいくことで武瑠が何故友達を作らないのかだったり、武瑠に友達を作ろうと頑張っていた善一の問題も明らかになっていく。
最終的に青春まで持っていってくれて、読後感はすっきりしていた。オチはご都合主義な気がしないでもないが、清清しい。
キャラクターから受けるそのインパクトと、何でもギャグで片付けるところに眉をひそめる場面がないわけではないけれども、お話は楽しめましたし、安定はしている。
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- 作者: 木野裕喜,コバシコ
- 出版社/メーカー: 宝島社
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