ヒメカミ ~緋焔の吸血姫(レイブラッド)~ (MF文庫J) [感想]
吸血鬼に力を与える血を持つ主人公と、幼馴染で吸血鬼な双子姉妹、主人公の血を欲しがる謎の吸血鬼の少女、吸血鬼な先輩。彼女たちと繰り広げるアクションラブコメ。
切ない雰囲気は好きになれた。
自分の血が特殊なので、近付いてくる女の子は自分の血が目当てだと言われ、女性に対して苦手意識を持っている主人公。なので、自ら無意識に壁を作っている。幼馴染は幼馴染で吸血鬼だということに悩んでいたりして。
この微妙な関係に血が欲しいという女の子がやってくるので、幼馴染含め主人公までもが様々なことを意識し始める。この女の子の家と幼馴染の家は仲が悪いので、そこからも物語が展開される。
吸血鬼ということなので、バトルみたいなことも起こるのだけれど、その理由が良いので好きになれました。ラブコメしてバトルの流れは多くあるけれど、しっとりとしたこの雰囲気の流れは良い。
そして、キャラクター全員にギャップがあるのが面白い。
特に、四方堂翼のインパクトは素晴しかった。何なのだろうあの可愛らしさは、外見が大人っぽいだけに、ギャップにやられてしまう。先輩らしさを見せている態度と裏腹に、内心は緊張していて、変な煩悩も持っていたりして。
先輩なのに先輩らしくない、ドキドキと口に出してしまうのは可愛い生物すぎる。
また、鳴神菊は抜けているのが良かった。言っていることがはっきりとしないので、その支離滅裂ぐあいが楽しめた。
反対に、主人公については個性が無さ過ぎるというか、彼の成長も描いているのはいいのだけれど、彼があまり魅力的には映らないので、そこは問題かもしれません。
物語は楽しめました。面白かった。
Presented by Minai.
- 作者: 星家なこ,やすゆき
- 出版社/メーカー: メディアファクトリー
- 発売日: 2010/09/18
- メディア: 文庫
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