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子ひつじは迷わない 走るひつじが1ぴき (角川スニーカー文庫) [感想]

子ひつじは迷わない  走るひつじが1ぴき (角川スニーカー文庫)

 

 第15回スニーカー大賞 大賞受賞作

 

 ある学校の生徒会のメンバーが、そこに寄せられる悩みを解決していく物語。悩み相談を解決するにあたって、どこかミステリーの犯人を見つけるような要素があり、これに学園ラブコメにも発展しそうな雰囲気とが合わさる。

 

 ただ、寄せられる悩みをミステリーのように展開している物語は良いけれど、その謎の部分だったり解決する部分にはあまり驚きがないのは残念。あくまで予想できてしまう。

 

 作品を説明する視点については主人公、ヒロイン、議事録とコロコロ切り替わっていくので、慣れないと読み難いと感じるかもしれないが、切り口が楽しめるし新鮮さもある。

 

 そういう意味で、成田、仙波、佐々原、メインの三人が相談事へ関わっていくときに読める内面が面白い。それぞれの考え方があったり、言動から見えてくるところが楽しめた。

 

 大賞を受賞する要因は様々あると思うけれど、この作品の場合には安定感と次への期待度だろう。だから、スニーカー大賞を取ったから最高に面白いのかといわれると、そこまでではなくて。

 

 面白さが安定している。

 

 失礼な言い方になってしまうかもしれないが、冷静に面白さを表現するなら”新人さんの作品を手にとってみたけれど、案外面白いしまた二巻も買おうかな”くらいの面白さで、それを考えさせるくらいの面白さです。

 

 読んでいて展開の幅が広いなとは感じたので、次を見据えたときに、どこに手をのばして行くのか。どこでも可能性があるだけに、それが魅力に映った。

 

 これからどうなっていくのかで化ける可能性がある作品。

 

 Presented by Minai.

子ひつじは迷わない 1~6巻セット (角川スニーカー文庫)

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