“菜々子さん”の戯曲 小悪魔と盤上の12人 (角川スニーカー文庫) [感想]
前作が中学生だったのに対して、高校生編。
どのように続けるのかと思っていたら、高校生編としてシリーズが続くよう。二巻から読んでも話が理解できる安心設計ですし、短編集の連作形式みたいになっているので、こちらの方がよりマイルドになっていて読みやすい。
新入生の宮本を主人公として物語が進む。
主人公が変わっているのも新鮮だけれど、高校生になった奈々子さんは宮本の先輩であり、後輩から見た奈々子さんという視点が新鮮でした。
宮本からすれば、奈々子さんには入学早々に助けられていて。成り行きで映画研究会に入ったけれども、そのミステリアスな雰囲気と暗さ黒さに、彼が徐々に惹かれ始める。
ラブコメではないが、宮本と奈々子さんに天坂舞と、ふとしたところで青春が滲み出ているし、この関係がどのようになるのか楽しみではある。
また、物語に溢れるミステリーな雰囲気はそのまま。
学校内で起こる謎を解決していくわけだけれど、真相が思わぬところに繋がっていたり、逆に大したことなかったり。裏で操っている菜々子さんも健在で、宮本に対して問題を投げかけるというのも良い。
事件を追う楽しさと、小悪魔な奈々子さんを読む楽しさがあって、ここから更に広げられそうなのが凄い。面白かった。
Presented by Minai.

“菜々子さん”の戯曲 小悪魔と盤上の12人 (角川スニーカー文庫)
- 作者: 高木 敦史,笹森トモエ
- 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
- 発売日: 2010/10/30
- メディア: 文庫
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