円環少女 (角川スニーカー文庫) [感想]
設定が凄く面白い。文章は凄く読み難い。
幾千もある魔法世界で、罪を犯したものが落とされる地獄、それは地球。ここへ落とされた魔導師メイゼルへ与えられた罰は、地獄で敵対魔導師100人を倒すことで。刻印魔導師を管理する公館の武原仁と共に戦いへ。
まず面白いのは、幾千の魔法世界があるけれど、それぞれの世界には違った魔法体系があって、世界の数だけ魔法があるということ。魔法自体も練りこんであって魅力的。
また、地球が地獄と忌み嫌われているのは、人類が魔法キャンセル能力を持っているからというのが良い。魔導師からすれば最悪の世界なのだと納得した。魔法を使える魔導師は、地球人と出会うだけで最弱になるというのが面白い。
メイゼルが可愛らしい。
彼女が小学生で大人ぶっているのが良い。メイゼルは仁が大好きなのだけれど、仁は大人なのでメイゼルの好意をするっと流す。けれども、仁もたまに保護者を超えた愛情をメイゼルによせている気がして。その関係性が楽しい。
メイゼルは小学生だが、仁は小学生であるメイゼルを監視する名目で教師もしているので、魔法のことで戦っている時と、日常との差が読めるのも魅力。
設定もキャラクターも凄く面白いですし、楽しい。けれども、それと反比例するかのように物凄く読み難い。これは説明するのが難しいけれど、描写は凄く丁寧なのだけれど、キャラクターがキャラクターとして動いていて何だかバランスが悪く映るというか。
キャラクターは楽しいし魅力的なのだけれど、感情移入はし難いというか、イラストに引きずられる部分が大きくて、人物を想像し難い。
文章の読み難さを克服できれば凄く面白い作品。
Presented by Minai.

- 作者: 長谷敏司,深遊
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2005/08/31
- メディア: 文庫
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