神様のメモ帳 7 (電撃文庫) [感想]
公園に住んでいるホームレスの一人は、失踪した自分の父親かもしれない――今人気の若手アイドルから、父親探しを依頼されるアリスとナルミ。さっそく人探しを始めるが、そこに改造したエアガンで武装するホームレス狩り集団の影がちらつく――。
物語はシリアスに暗く重く。
父親探しは案外簡単に終わってしまうのでどのように展開するのかと考えていたら、唐突に衝撃がはしりました。ホームレス狩りも気になっていたけれど、そこまで事件に発展していくとは。
一人で直走る少佐が印象的。今までも彼の凄さは伝わってきていたけれど、改めてその技術力の高さに驚きますし、頭が良い。全てを背負い込んで解決しようとする、信念を曲げない少佐の姿は新鮮。今までに見せていなかった部分が見えた。
キャラクターの感情が強烈に表現されていたのも上手い。思わず考えてしまったナルミの怒りもそうですし、少佐に対するニートたちの感情、父親の本音、アリスの気持ちやユイさんの追い詰められた感情。それらが混ざり合って人間らしくなく人間らしい登場人物がそこにいた。
落ち込むナルミ、悩むナルミ、それでも自分なりに答えを出せたナルミ。移り変わるナルミの姿にも注目。
また、ナルミは今回も天然で女たらしの素養を垣間見せる。アイドルのユイさんと自然にアドレス交換したと思ったら、いとも簡単に仲良くなってしまう。それを見たアリスが二人にやきもきするいつものパターン。アリスの可愛らしさも際立っていました。
最後に、序盤にあった勤労感謝の日の件は好きです。一日中家に引き篭もってオラトリオを聴くんだというアリスの言葉が印象的でした。面白かった。
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