放課後のアディリシア 百億の魔女語り外伝 (ファミ通文庫) [感想]
外伝。
アルトの視点からでしか語られていなかったアディリシアが、ジノの視点から語られることで随分と印象が変わってくる。優秀だけれど融通が利かないというか、厳しい。そして、理不尽でちょっと変。冷たい印象を受けました。
物語はそんなアディリシアとジノの学園での日々を描いていく短編集となっているのだが、最初は冴えない少年だったジノが、アディリシアと出会うことで、どんどん悪の道に引きずりこまれていく。一人称が僕から俺に変わってしまうのは相当です。
現在と過去と。
本編であるアルトのお話とリンクさせながらも、アディリシアたちだけで独立している話があり全体のバランスは良い。加えて、コミカルに笑わせ、ラブコメで悶えさせ、シリアスで引き締められるので、テンポも良い。ラブコメは予想よりも抑え気味ではありましたが、それがまた良い。
アディリシアという強烈なキャラクターに振り回されるジノ君を見て楽しみ、彼がネイバーになっていった経緯を読んで何とも言えない気持ちになる。二人はこれから本編に登場するでしょうし、益々続きが楽しみになりました。
非常に良く出来たスピンオフでした。面白かった。
Presented by Minai.

- 作者: 竹岡葉月,中山みゆき
- 出版社/メーカー: エンターブレイン
- 発売日: 2011/08/29
- メディア: 文庫
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