鬼物語 (講談社BOX) [感想]
最強の吸血鬼であるところの忍を語る物語。
一人目の眷属が誕生した秘話から、忍が如何に出鱈目な吸血鬼で怪異だったのか思い知らされる。いつもの軽快な言葉遊びは健在で、阿良々木さんの突っ込みが入る会話劇は安心して読めた。
また、彼女がいるのに少女たちとキスしていく阿良々木さんはロリかっけー。着実におかしなことになっている変態紳士こよみんでした。
そんなコミカルな様相から、一転してシリアスに。
忍の過去を語ると聞いたときから、著者のことだから一筋縄ではいかないだろうし、むしろ語らないのではないのかと思ったりもしたのですが……。半分当たりといったところでしょうか。
確かに忍の過去は語られるが、限定的といいますか。忍が一人語りしていくのでどこか退屈にも感じてしまいました。ましてや、今回はそこがメインでありメインではない。中盤以降は唐突に八九寺の話へと移り変わっていくものだから、頭を切り替えるのが大変でした。
そのオチには衝撃と寂しさをしっかりと受けたのですが、唐突過ぎて受け入れられないというか。ふわふわしたままあっさり終わってしまった印象を受けた。暦も混乱していたけれど、あの短時間で状況を受け止められるってのも凄いです。
結局、混乱したまま終わってしまったわけですが、作品の中に盛り込まれたテーマやらには楽しませてもらった。一種、流れを破壊していくようなこの構成もたまにはいいかもしれない。
Presented by Minai.
- 作者: 西尾維新,VOFAN
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2011/09/29
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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