僕と姉妹と幽霊の約束 (このライトノベルがすごい!文庫) [感想]
第2回「このライトノベルがすごい!」大賞 優秀賞受賞作
幽霊を見ることが出来る主人公、結城クロ。クラスメイトだった長谷川柴音の幽霊と出会うことで、彼女を成仏させるべく心残りが無いのか問うクロだったが、柴音は心残りが無いという。クロの三姉妹と共に、柴音の心残りを探していくが――。
終盤の流れが綺麗だった。
短編集ではないけれども、柴音の心残りを探していく中で他の幽霊たちとも出会っていくので、クロはそんな幽霊たちの心残りを聞きだして成仏させていきます。静かな雰囲気の中で展開されていく話が良い。
幽霊は徐々に昔の記憶が薄れていくので、クロとの日常を忘れていく柴音が切ない。ましてやクロは柴音のことが好きだったし告白までしているので辛いです。期待通り、切ないラブコメを読ませてくれるのかと思いきや、いや読ませてくれるのだけれど、終盤にちょっとギミックが仕込んであるのは上手い。
このギミックは気持ちよかった。それまでが一般的な話で繋いで来ただけに、雰囲気に合った綺麗なまとめを見せてくれたのには驚いた。
ただ、静かな雰囲気は良いのだが、その分だけ淡々とした物語に登場人物たちが綺麗過ぎてキャラクターとしてはどこか入り込めなかった部分があった。三姉妹も霊感に関連した能力を持っているし、ブラコンという特徴はあるのですが、静謐とした空気にのまれるというか。
キャラクターとしては感情移入は出来ませんでしたが、物語りとしては満足しました。面白かった。
Presented by Minai.
- 作者: 喜多南,みよしの
- 出版社/メーカー: 宝島社
- 発売日: 2011/09/10
- メディア: 文庫
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