楠木統十郎の災難な日々 ネギは世界を救う (電撃文庫) [感想]
こまけぇことはいいんですよ。
楠木統十郎は気がついたら死んでいた――。自称、高次元生命体の猫耳ロリが言うには、己の存在をアノマリーというバグに世界ごと飲み込まれてしまい、アノマリーを倒さないことには永遠と死んだままらしい。猫耳ロリのミスで被害にあったのに、自分で何とかしないと生き返れない。
気持ち悪い現状を打開するため、世界を救うため、統十郎はネギを手に取る。
B級アクションコメディと表現するのが一番しっくりくるのではないだろうか。ラブコメではなく、異能ファンタジーでもなくB級アクションコメディ。だから、主人公に実は隠された力があって最強だとか、何故か主人公がモテるだとか、そういうことではない。
ただハイテンションに面白おかしく物語が動いていく。主人公の統十郎からしてアメリカの映画やドラマを彷彿とさせるような罵詈雑言の嵐。軍隊か、といいたくなるような台詞を吐くので、それが物語の勢いと合わさって良い流れを作り出していた印象。
分けが分からない敵アノマリーを倒す武器がネギというのも笑える。これはそのつど形状が変化していくので、そこにも注目。遊園地のアトラクションを楽しむがごとく、休みなくジェットコースターに乗り続けたみたいに一つの展開が強烈であり、ごちゃまぜ。
そんなわけで、これまでの著者の作品を期待して読まれる人にはオススメ出来ませんが、これはこれで面白い。読むタイミングが重要な作品。
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- 作者: 南井大介,イチゼン
- 出版社/メーカー: アスキーメディアワークス
- 発売日: 2011/10/08
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