棺姫のチャイカI (富士見ファンタジア文庫) [感想]
王道のファンタジー。
新しいことをやっているわけではないけれど、それが面白い。奇をてらわずに堅実に読みたいところを押さえてくれているので、読んでいて気持ちがいい。
物語とキャラクターのバランスも流石だった。主人公はやる気のない、働いたら負けだという信念を持っているのだけれど、これが読み進めていくうちに自堕落になった理由がわかり、その理由に自然と納得させられる。
妹にしても、兄を大好き過ぎて過激な言動をするという笑いの方向を間違えていないので、流れるように読めるし、本人が冷静な口調でそれをやるものだからギャップが面白い。
チャイカはおとなしいドジっ娘ですが、そのマスコットな可愛らしさに和む。挿絵で描かれていく彼女は、つい守ってあげたくなる。
全ての文章が気持ち悪くないので、もっと読みたくなる。上手い。
一巻なのでまだ序章ではあるけれど、これから何をするのか想像できるのが楽しいし、想像出来ないことも楽しみで。著者には読み手が読みたいだろうところを読ましてくれるだろうという信頼もある。
続きが楽しみだ。面白かった。
Presented by Minai.
- 作者: 榊一郎,なまにくATK
- 出版社/メーカー: 富士見書房
- 発売日: 2010/12/18
- メディア: 文庫
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