傾物語 (講談社BOX) [感想]
かみまー。
八九寺がメインのお話、まよいキョンシー。けれども、八九寺はあまり登場しない。終始、暦と忍の語りで物語は進む。というか、二人しか登場しないといっても過言ではない。八九寺メインなのに登場少ないとはどういうことか。
あとがきでもあったけれど、内容もまよいキョンシーというよりは、まよいゾンビ。予想通りにいかないのは著者らしいといえばらしい。
怪異がいるなら時間跳躍くらいできる。
そんな流れから物語は始まっていくこととなるが、これを考える忍も流石というべきなのだろうし、それに乗っかる暦も暦。過去を変えるその内容を思いつき方も二人らしくて好きだ。
八九寺の交通事故を阻止できるはず。
改めて考えてみると、八九寺は生きていれば暦よりも年上でお姉さん。そんな大人バージョンの八九寺が読めたのは嬉しかった。
大人の八九寺は礼儀正しくて、見事に暦の影響を受けていたわけだけれど、このルートの暦は失敗していて、こちらも見事に影響を受けている。
八九寺という少女は今の暦を形作る上では、大切な存在であるし、過去に不必要なことは無くて。そんな暦に感じ入るものがあった。
まよいは道に迷い続けていたけれど、道を間違えたわけではない。暦の夏休みの宿題は終わらなかったけれど、暦が選んだそのルートも間違いではなかったはずなのだ。
面白かった。
Presented by Minai.
- 作者: 西尾維新,VOFAN
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2010/12/25
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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