はるかかなたの年代記 2 荒ましき驃騎兵 (集英社スーパーダッシュ文庫) [感想]
「喚象」と呼ばれる異能力を勉強するフラムスティード学院。学院の生徒であるユウは、同じく生徒であるカティアを守ることを約束した。そんな中で、精鋭とされる驃騎兵にカティアの捕縛命令が下される。
キャラクターが魅力的。
世界観と設定が気に入ってしまっているので、どう読んでも面白いのだけれど、改めてキャラクターが良く出来ている。それはユウ、カティア、クリスの主要な人物含め、敵に至るまで、個々の良さがある。
それぞれを丁寧に、気を使っているとでも表現すればいいのか、作品を読めば分かるがこれだけ多くのキャラクターを動かしているのに、文章が破綻していないのは凄い。描き方も考えてくれているので、敵を好意的に受け止められるのは、今後の展開を踏まえているのと、シリーズとして全体が考えられているように映った。
中盤まではラブコメ。
ユウとカティアという図が出来上がっていたけれど、そこにアレットが急接近していく。アレットがユウに好意を寄せていることを察するカティアは、それを良い事としつつも、気持ち悪い感情が残る。それは不安、焦り、嫉妬、カティアも分からない。
人とは違う、そう考えてしまうカティアだからこその葛藤であるし、素直に祝福したり感情を出せないことに、また考えをめぐらせる。そんなカティアの気持ちの揺らぎが読みどころであるし、この悩みを打ち明けたのが――というのも大きい。
戦いがとにかくスタイリッシュ。
全員が瞬間移動を使えるので、一種が魔法使いの戦いなのに肉弾戦の様相を呈す。「喚象」を打ち合って、相殺、回避とスピーディーな展開に、個人の固有技も飛び出すのだから格好良すぎる。
また、今回はクリスの能力も判明するわけだけれど、これがまた異常な強さだ。ユウの能力も最強だと感じたが、クリスもいい加減に出鱈目だ。加えて、敵も強いので、戦いが最初からラスボス戦。スケールが大きさに大満足。
面白かった。続きも楽しみにしています。
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はるかかなたの年代記 2 荒ましき驃騎兵 (はるかかなたの年代記シリーズ) (集英社スーパーダッシュ文庫)
- 作者: 白川敏行,ふゆの春秋
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2011/02/25
- メディア: 文庫
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