Infinity recollection

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テンプテーション・クラウン (集英社スーパーダッシュ文庫) [感想]

テンプテーション・クラウン (集英社スーパーダッシュ文庫)

 

一家に一台ラースさん。

 

神や悪魔をその身に宿して力を行使する者、選定者。アキトはあるとき選定者に目覚めるのだが、彼の能力は選定者を魅惑するというもので、とても弱かった。しかし、この魅惑は最高の選定者、王冠に冠されるルビィの心を虜にしてしまう。

 

世界観が面白かった。選定者がそのまま世界のバランスになっていて、王冠の選定者たちはそれぞれの組織に分かれているのだが、これらが覇権争いをしているという構図。

 

王冠の選定者たちは核兵器よりも強いというのだから凄い。各々が本気を出すと世界が終るくらいに最強。従来の戦略兵器は意味を成さなくなっていて、言うなれば王冠が戦略兵器だ。

 

ハーレムラブコメと異能バトル。

 

世界観や王冠に関連するファンタジー異能設定はありつつも、中盤までは終始ラブコメと表現しても問題はない。それらはラブコメを面白くしようという要素に落ち着いている。

 

ルビィ、彩姫、ラースと物語が進むごとにヒロインを虜にしていくアキト。上手くラブコメしていたので素直に楽しめた。しかも、アキトは魅惑の力で好意を向けてくれるのは嬉しいけれど、それでいいのかと自問してしまうような良い奴なので、主人公の人柄でも躓くことはない。

 

考えてみれば恋って何だろう、一目惚れって何だろう、脳のエラーじゃないのだろうか。そもそも何を基準に恋をするのだろうか。ならば、魅惑の力で相手が好きになっているという解釈もありなのでは。

 

シチュエーションや異能バトル、キャラクターで楽しませてくれて、たまに読者へ考えを投げかけてくれる。恋は盲目、ヒロインたちの恋への本気が強烈。

 

最弱にして最強の主人公の物語、面白かった。続きも読みたい。

 

 Presented by Minai.

テンプテーション・クラウン (集英社スーパーダッシュ文庫)

テンプテーション・クラウン (集英社スーパーダッシュ文庫)