シュガーアップル・フェアリーテイル 銀砂糖師と紫の約束 (角川ビーンズ文庫) [感想]
新聖祭の砂糖菓子を作ることになったペイジ工房の面々は、砂糖菓子を作る大きな場所が必要だということでお城を格安で借りるのだが、そのお城は幽霊出るという曰く付きだった。時間も無いのに、幽霊騒ぎで砂糖菓子作りどころではなくなってしまう。
ペイジ工房の職人頭として頑張るアンの姿が良かった。
幽霊騒ぎもそうだけれど、何とか新聖祭に間に合わせようとする。途中にあった銀砂糖のトラブルなど、今回も上手く切り抜けようと必死ですし、そこへキャットを絡ませようというのだから楽しくなってきた。
そんな中で描かれるノアのお話に心が温かくなる。ハーバートとノアの関係が実に良い。頑なに主の帰りを信じて、約束を果たそうとするノア。ハーバートという人物はどんな人なのだろうと興味が出てきたところで、丁度良く過去の二人が描かれるものだから読んでいて気持ちが良い。小出しにしていた伏線がしっかり仕事をしていた。
アンはまたもや砂糖菓子で勝負することになるが、相手はヒューだ。技術では明らかに負けているアンだけれども、ノアのために砂糖菓子を作るという心は負けない。職人としての矜持を守りきったアンは流石でした。
面白かった。
Presented by Minai.
シュガーアップル・フェアリーテイル 文庫 1-11巻セット (角川ビーンズ文庫)
- 作者: 三川みり
- 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
- 発売日: 2012/12/28
- メディア: 文庫
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