ロマンス
エドワード・スミス先生の新作。内容は王道戦記モノでとても好みですし、「侵略教師星人ユーマ」を書いている作家さんですのでその文体と構成の読みやすさには確信がありますから安心して購入できますね。戦記モノといってもひとえに様々あるわけですけれど…
ハルがどのように立ち直ったのか、そもそもどうやって話を続けてどこに着地しようとさせるのか気になっていたわけですが、二十歳になったハルは確かに成長していましたし、後悔や失敗から逃げずに立ち向かえる強さを得たように思います。それは一人で孤独に…
頬の筋肉が緩むこと緩むこと。文章を読んでいてここまで身悶えるラブコメは文句のつけようがない。一巻のときから感じてはいたのだけれど、主人公である優樹とヒロインである世界の関係が何だか明治大正浪漫とでもいいましょうか。どこか古風な間柄や距離感…
やっと読めました。あとがきを先に読むことが多いので今回もその例に則ったわけですが、それによると上下巻構成となっているらしく本の物理的な薄さもあり、まとめて読んだ方が面白いという判断を個人的にしていたので4巻発売のタイミングで3巻を読み始めた…
第一部完結。 待っていた。待っていましたよ続編。未完で終わると覚悟していただけに、単純に嬉しい。個人的に前作を読んだのは2,3年前だったと思うので、リアルタイムで読んでいた方々と比べると記憶は薄れていなかった模様。……まあ、それでもところどころ…
作品のつながりに世界観が一気に広がったなーという印象。 イリスと凪が登場したことで、二人の運命に何があったのかと驚きましたし、黄昏シリーズは読んだことがありませんが、登場人物たちの壮絶な運命は伝わってきた。著者の作品群を大いに使って、今後へ…
二百年前のウィーンへとやってきて、ゲーテとして生きていくこととなった主人公ユキ。その時代では何故だかベートーヴェンが女の子になっていて――音楽史を紐解きながらユキとルドヴィカの成長を描いていく本作。 フランス軍の進攻が迫るウィーンで逃げようと…
雨の日のアイリスの著者さんということで購入。 前作と同じく一巻完結の物語をしっかり描かれている。落ち着いた文章は読みやすく、流れるように物語を追えると共に、その世界に引っ張り込む力がある。世界観にしても破綻することがないので、作りこまれてい…
これは面白かった。著者の持ち味を存分に出した作品とも言えるだろうし、本当に色々な意味で著者だから書けた作品。随所に散りばめられている物語の展開、台詞など、全てに杉井光らしさを見られるのが、これまた読んでいて楽しい。 二百年前の楽都ウィーン。…
ギクシャクの関係がさらにややこしく。 葵さんに彼氏のふりをして欲しいと頼まれ、その現場を帆夏に見られたことから関係がギクシャクしてしまった是光だったけれど、新たに登場したヒカルの愛人を名乗る少女、月夜子さんと出会うことで更にややこしいことに…
死期が近づいた人間の前に現れる死神の少女。魂を集めていると語る少女は、本来ならその時刻に死んでいた人間に、僅かな時間を与えて魂をきれいにしようとする。 実に切ない。死ぬ人間に時間を与えて、後悔をなくさせてあげる。けれど、決して寿命が延びると…
サクラダリセットという作品が読めてよかった。 物語を改めて眺めてみると、無駄な要素がない。この完成度は何なのだろう。サクラダの能力一つを取ってもそうであるし、キャラクターにもいらない人間はいない。絶妙なバランスで繊細に作られているから、読ん…
物語が更に深くシリアスになっていく。 シェルティスが半ば幽閉されてしまっているところに、最強の幽玄種が三体も現れる。しかも、読んでいれば分かるとおり、現状は戦力を損失しすぎていてとてもではないか戦えない。まさに人類の運命がかかっているといっ…
若いキャラクターが登場しないというのがまず驚きなのだけれど、それ故に20代、30代を購買層とした作品に仕上がっている。特に女性の視点で描かれていることもあり、女性向けということになるのだろうか。 三十路という節目を迎える手前、男性ならそこまで意…
キースと共に新工房を立ち上げようと張り切るアンだったが、ヒューからシャルを連れて王城に来るように命じられる。王城にはエリオットを始め、キレーンやステラといった各工房の腕利きが集められていて、ある仕事をするのだという。それは、王家が秘匿して…
第2楽章開幕。 シェルティスの秘密が公表されたことにより、騒然となる大陸。シェルティスは天結宮の上層部によって監禁されてしまう。モニカたちは思わぬ形でシェルティスが魔笛を宿していることを知り、チーム崩壊は危機に直面。その間にイグニドは計画の…
何度鳥肌が立ったかわからない。 レヴァームと天ツ上の戦争が描かれていくのだけれども、開戦したときは優勢だった天ツ上が、戦いが長引くごとに劣勢になっていく。それでもパイロットとして戦闘機に乗り続ける千々石の姿に心打たれた。 国の豊かさから、生…
エルグリッド大陸図書館で働く新米司書リィナは、館内では「モグラ」と蔑まれる地階位に配属されながらも、先輩司書であるジーンと共に日夜仕事に励む。しかし、ある「魔本」と出合ったことで、エルグリッド大陸図書館に隠された秘密を知ってしまう。 読解の…
新聖祭の砂糖菓子を作ることになったペイジ工房の面々は、砂糖菓子を作る大きな場所が必要だということでお城を格安で借りるのだが、そのお城は幽霊出るという曰く付きだった。時間も無いのに、幽霊騒ぎで砂糖菓子作りどころではなくなってしまう。 ペイジ工…
第一楽章、完結。 潜入部隊に志願したシェルティスだったけれど、選ばれるのは小数のみ。その他は待機組として塔に残らなければならないので、名前を呼ばれるかどうか始まりからして好奇心を止められなかったわけだけれど、いざ異篇卿の拠点へ潜入するとそれ…
ペイジ工房編。 アンが銀砂糖師になり、シャルがブリジットに連れて行かれてしまった前回からどうなるのかと思っていたのですが、アンはペイジ工房の建て直しに尽力することになる。 エリオットは嫌な奴という認識があったのだけれど、読み進めていくうちに…
巫女第3位ヴィオラと、その千年獅ホルンが登場。 これまで話には出ていたけれど、実際の人物が登場することはなかった第3位の巫女とその千年獅。今回はこの姉妹の立ち位置を描きつつ、ホルンとユミィの意外な確執が明らかになっていく。 ユミィは洗礼の巫女…
短編集。 今までに登場したキャラクターの過去話や、これまでに語られてきた物語の裏話などが収録されている。中には名前を覚えていないキャラクターもいるのだけれど、それはそれで新鮮に読めた。 一つの話が短いので物足りなさは感じるが、気楽に読めてし…
第22回ファンタジア大賞 金賞受賞作 千年前、魔法を世界に広めた魔女マール。彼女は現代において信仰の対象になっており、彼女が残した4つ石碑を巡る旅に出ることは崇高な行為とされていた。昔から神官になりたいと思っていた主人公のカナクは、学校卒業と共…
イシュタルが可愛らしい。 普段は猫をかぶっているので、口調から態度から柔らかい印象を受けるのだけれど、いざ戦いや重要なところになると格好良くなる。その差が面白かった。 彼女はレオンと同じくシェルティスとは知り合いなのだけれど、シェルティス自…
アーヴによる人類帝国と三ヶ国連盟の戦争は七年目に突入。ラフィールとジントも襲撃艦フリーコヴで戦場へ、ラフィールの弟であるドゥヒールも戦列艦カイソーフで戦場に。そんな中、帝国とハニア連邦との間で密約が交わされようとしていた――。 ジントが慣れな…
アーヴの誕生と罪、その起源に迫るような短編集。 星界シリーズを読む上で、今まであまり語られていなかったアーヴという存在についてが書かれているので、作品に深みが出ている。アブリアルの話など興味深い。 作中には、過去編とでもいうべきこれらの話に…
銀砂糖師の品評会が今年も開かれるのだが、どうにも砂糖林檎が凶作らしく、砂糖林檎を手に入れるには工房に行き、共同作業に従事しなければならないらしい。もちろんアンはそれに加わるのだけれど、その工房というはラドクリフ工房で――。 例によって嫌な人た…
不思議な防具屋シャイニーテラス、シリーズ完結。 物語が終るということで、今までのように短編集や連作のような形ではなく、ソラとアルフォンスのラブストーリーな内容となっている。 これまでもソラとアルフォンスの物語には違いなかったけれど、そこは不…
ジントが故郷に帰る。 帝国の作戦がひとまずは落ち着いたので、その間にジントはハイド星系へ行くことにする。これにはラフィールも星界軍に休暇願いを提出してついていくことに。 このラフィールの行動からして、これまでの話があってのことなので嬉しい。 …