Infinity recollection

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“夕顔” ヒカルが地球にいたころ……(2) (ファミ通文庫) [感想]

“夕顔” ヒカルが地球にいたころ……(2) (ファミ通文庫)

 

ヒカルは殺されたらしい――そんな噂が学校に流され、その真意をヒカルに問う是光。友達としてヒカルのことを心配した是光だったが、例によって上手いように動かされ、またもやヒカルの約束を叶えることに。

 

自宅に引き篭ったまま外に出ようとしない夕雨。彼女の約束を代わりに叶えてあげるのは分かったが、何をどうすればいいのか是光には分からない。ヒカルに問いただしても、ふわふわ浮かぶばかりで今回は多くを語ろうとしない。

 

そんなヒカルの行動に疑問を持ちながらも、是光が自ら考えて行動していく。思えば夕雨を一目見たときからそうだったのかもしれないが、臆病で人見知りな彼女を放ってはおけないのだ。ヒカルとの約束を叶える他にもつい、彼女のことを考える回数が多くなる。

 

初めて恋をした是光の姿が淡かった。

 

今回はそんな淡い恋がそこかしこで見られる。夕雨が不登校になってしまった原因である頭条俊吾もその一人だろう。是光の拳を避けなかったときに悪い奴ではないと確信したが、まさかそういうことだったとは。何とも切ない。

 

また、帆夏の恋も順調に描かれていきます。是光との接点が増えていくことで、自然と彼を目で追っている帆夏ですが、素直にはなれません。メールの相手が気になったり、様子がおかしい是光を心配したり 一挙手一投足に心を動かされていく帆夏が可愛らしかった。

 

しかし、ヒカルは本当に幽霊になったのかとでもいうように静かだった。事実、幽霊なわけではあるが、発言する回数が軒並み減っている。友達であるはずの是光も、ヒカルの考えていることが分からないので、生徒会に捕まったときには咄嗟に言葉が出なかった。友達の存在に不安になる是光が興味深い。

 

引き具合も、置き土産が素晴らしいです。面白かった。

 

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