Infinity recollection

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六花の勇者 (集英社スーパーダッシュ文庫) [感想]

六花の勇者 (六花の勇者シリーズ) (集英社スーパーダッシュ文庫)

 

山形石雄さんの新作。

 

魔神が目覚めるとき、運命の神は六人の勇者を選び出し、世界を救う力を授ける。力を授けられた勇者たちは「六花の勇者」と呼ばれ、身体のどこかに勇者の証である紋章が浮かび上がるのだ。魔神復活を阻止するために、約束の地へ赴く勇者たちだったが、集まった勇者は何故か七人いた。

 

――この中に一人、偽者がいる。

 

本来なら敵の兵力を削るはずだった霧幻結界が作動してしまったことで、結界に閉じ込められてしまった勇者たちが疑心暗鬼に陥り、一触即発。世界観はファンタジーだけれど、相手の言動から誰が敵なのか見極めようとするミステリーの要素もあって楽しめた。

 

流石に誰が犯人なのか推理することは、勇者たちが持っている能力が分からないので難しいけれども、主人公アドレットと同じように直感を大切にすれば推測できるかもしれません。

 

物語ではアドレットが偽者に仕立て上げられ、彼は説得も空しく逃走するしかない。他の勇者たちから逃げながら、それでも仲間を信じているアドレットが格好良かったですし、どうにかして偽者と無実を証明する方法を探る。

 

勇者たちの性格や能力も合わさって、怒涛の展開が続く。仲間だと思っていた奴に殺されかけ、明確な悪意をぶつけられ、終盤は全員に余裕がなくなっていく。

 

そんな状況下でも屈強な精神を保っていたアドレットはやはり勇者だ。本人は凡人といっているし、確かにそうかもしれないが、冷静な判断力と情報処理能力は素晴らしいものがある。シリーズの一巻ということだけれど、終盤には見事な爆弾を残していっているので、続きが楽しみです。

 

面白かった。熱くスリリングでした。

 

 Presented by Minai.

六花の勇者 (六花の勇者シリーズ) (集英社スーパーダッシュ文庫)

六花の勇者 (六花の勇者シリーズ) (集英社スーパーダッシュ文庫)