泳ぎません。 (MF文庫J) [感想]
水遁の術。
ひたすらプールサイドで繰り広げられる少女3人の会話劇。タイトル通りに本当に泳いでない。仮にも水泳部のはずなのに、スク水は着ているというのに全く泳いでない。ましてやプールを泳がず歩くとはどういうことか。もう、とことん泳いでないよ、コイツら。最高です。
個性的なキャラクターたちの絶妙な掛け合いに思わず笑ってしまう。
内容としては日常の些細な話題だったり、プールサイドで出来ることを行っていったりするだけで、それこそ喫茶店やらファミレスで近況報告するような、他愛もないものでしかない。けれども、八重と依子と日唯というキャラクターを通すことで、独特のニュアンスが生まれる。それが面白い。
依子はその言動からバカだなと和むし、日唯は発言と思考が独特でズレているのが良い。八重は一番まともそうだがそうでもなくて、主人公ポジションの特権である独白が読んでいて楽しい。仲間たちへの切り返しが良い。
とにかく永遠そんな3人の会話が続くので、物語としての緩急はありません。それが退屈に映ってしまうのなら、オススメはしない。まったり読んで、笑わしてもらって和む。そんな作品。
面白かった。
Presented by Minai.
- 作者: 比嘉智康,はましま薫夫
- 出版社/メーカー: メディアファクトリー
- 発売日: 2011/09/21
- メディア: 文庫
- クリック: 17回
- この商品を含むブログ (17件) を見る